台湾海峡に緊張をもたらすのは中国である

 

世界の多くの国々の政治指導者、言論人が、「台湾が独立へ向けて動き出すことはアジアに緊張が走り、アジアの平和を乱すことになるので、台湾は自制すべきである」などと述べている。一見最もそうに聞こえる意見だ。しかしよく考えてみよう。いやそんなに深く考えなくてもよい。今から私が話すことは全然難しいことではなく、中学生にもわかりそうな簡単な理論である。

台湾海峡、ならびにアジア全体に緊張が走る、アジアの平和が乱れるとはどういう意味であろうか。こんなことわざわざ問いたださなくともお分かりであろう。台中両国間で戦争が起こるということである。では戦争はどちらから始めるのであろうか。これもわざわざ問いただすまでもない。中国が台湾に侵略するのである。台湾が中国に侵略することはありえるだろうか。これはありえないと見ていい。中国が時代遅れの封建独裁国家であるのに対して、台湾は成熟した民主主義国家である。中国人は常に中国共産党の暴政によって常に監視されながら自由な生活を営めない。「私は中国に数年暮らしたが、中国人はほとんど自由に生活しているぞ」などという抗議がわいてきそうだが、そのような人は中国をからっきし理解していない。中国人は政治というものを徹底的に恐れている。人によって微妙に考え方も違うが、中国人はなるべく政治に関わらないようにしている。中国ではネット上で政府批判をしただけで懲役数年の刑をくらうという恐るべき独裁国家である。反政府デモなんかしようものなら生命が危険にさらされる。法輪功の活動に参加しただけで残虐な拷問を受ける。このような中世ヨーロッパのような状態が現在の中国である。それくらい中国は封建的な前近代的国家である。政治とは関係ないことでも弾圧されることもある。中国でサーズが大流行した頃にはその情報を携帯電話などでみんなにばら撒いただけで数年の懲役刑を受けたものもいる。まさに恐怖の独裁国家である。話が長くなってしまったが、中国が時代遅れの封建独裁国家であるのに対して台湾は民主主義国家であり、一人一人の自由な考え方が尊重され台湾国民は自由でのびのびとした生活を営んでいる。このような国がわざわざ中国へ侵略するであろうか。

中国は一人当たりGDP千ドル程度の貧困国である。今の中国はだいぶ豊かになったという人もいようが、基本的に人口のごく一部に過ぎない。ただ中国は人口が多いから、わずかな割合の富裕層が大勢いるように見えてしまうだけである。それに比べれば台湾の一人当たりGDPは中国の13倍である。しかも台湾では貧富の差が少ない。中国では人口の7割を占める農民がインドやバングラデシュと同じ程度の生活水準しかないのに対して、台湾ではほとんどの人が先進国と同等の生活水準を維持している。このような国がわざわざ中国へ侵略するだろうか。

もうこれ以上説明する必要はないであろう。台中両国間で戦争が起こるとしたら間違いなく中国が台湾を侵略するのである。であるからして台湾海峡に緊張をもたらすのは中国のほうなのである。しかももし本当に中国が台湾を侵略した場合の意味と言うものを考えてみよう。ここはアメリカと比較してみるのがわかりやすい。私はアメリカの行為を全面肯定するつもりはないし、全面否定するつもりもない。私がここで述べるのはアメリカと中国の客観的な比較である。21世紀になってアメリカはアフガニスタンとイラクに武力行使を行った。この是非について私はここで述べるつもりはない。しかしアフガニスタンのタリバンもイラクのサダム・フセインも野蛮な独裁者であることは反米派でも認めることである。両国の国民は独裁的な政治に苦しめられていた。そこへアメリカが武力行使を行い、これら独裁政権を追い払った。そして多くの国民が自由を享受できるようになった。もちろん被害を受けた民衆も多い。アメリカを恨んでいる人も多いであろう。確かに自由になったが、それでもアメリカが許せないと言う人もいるに違いない。このようにアメリカの武力行使には一概に言えない側面がある。
 中国が台湾を侵略する場合はどうであろうか。台湾は自由な民主主義国家である。4年に1回総統選挙が行われ、有権者が総統気に入らなければ総統選挙で落とすことができる。政府を批判するのは全く自由で生命の危険を感じる必要はない。台湾人は自由な考え方を持つことができる。独立派も統一派もいる。統一するのであれば台湾人の圧倒的多数の意志によって統一すればいいのである。しかし2004年3月の総統選挙で陳水扁が当選したと言うことは、統一を望んでいる台湾人がそれほど多くないことを意味する。このような自由な国を侵略することが許されていいものであろうか。心の中にほんのわずかでも良心がある人であれば、このようなことが許されないことは小学生でも理解できるであろう。中国が台湾を侵略することによって台湾人が以前よりも自由で豊かな生活を享受できるということは全くない。それどころか今まで中国よりの考え方を持っていた台湾人さえも反中国になる可能性が大きい。
 あるひとは、「アメリカは外国を侵略したのであって、中国の場合は自分の国に武力行使をするのである」と考えるかもしれない。しかしこれは間違いである。台湾は現在中国の支配下に入っていないので、このような理屈は全く通用しない。このような理屈が通用するのであるとすれば、インドはパキスタンやバングラデシュを侵略できるし、アルゼンチンはベネズエラやパラグアイを侵略できる。アメリカはカナダを、オーストラリアはニュージーランドを侵略できると言う全くめちゃくちゃな理論がなりたってしまう。

 今回述べることは非常に単純でわかりやすいことなので、そろそろ終わりにしたいと思う。まず一つ、台湾海峡に緊張をもたらすのは台湾ではなく、中国であると言うこと。中国が台湾を侵略することはアメリカのイラク戦争を上回る暴挙であること。以上の二点をふまえたうえで、結論を述べたい。
 台湾海峡に緊張をもたらすのは間違いなく中国のほうであるから、第三国の人間が抗議すべき相手は台湾ではなく、中国である。中国はさかんに台湾に対して「武力行使」という名目で侵略の脅かしをする。このような中国の横暴極まりない態度に対して、我々は断固として中国に抗議をしなければならない。そして中国に、いかなる理由があろうとも台湾を侵略してはならないと厳しく忠告しなければならない。そのような中国の横暴は近隣のアジア諸国にも深刻な迷惑をかけることになる。
 そんなことをしても中国はいうことを聞かないであろう、とあなたは思うかもしれない。そのようなあきらめな態度ではいけない。中国のような野蛮なやくざ国家に対するのはこちらとしても絶対に妥協はしない強い態度が必要である。

 

  

 

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