台湾正名運動の具体的課題

 

今回は林建良氏が日本ではじめ、現在台湾で大いに盛り上がっている台湾正名運動について話をさせていただく。台湾政府は2006年に新憲法を制定し、2008年に施行できるよう努力しているが、2008年までに本当に国名を中華民国から台湾共和国へと正名できるかどうかは微妙である。陳総統は国名は変更しないと述べている。理由は国民の間でコンセンサスができていないからだと言う。愛国派の人から見れば陳総統はなんとも臆病に見えるかもしれないが、無理もないかもしれない。この前の総統選挙で実に半分もの有権者が国民党の候補に投票する有様ではなかなか難しいであろう。日本人にも売国奴は非常に多いが、台湾の売国奴はもっと質が悪く、自ら率先して自分の国を外国に売り渡そうとするのだから、土井たかこよりもひどい。社民党や共産党は率先して日本を中国の属国にしようとしているが、日本を中国のひとつの省や行政区にしようとはしていない。もちろん国民党や親民党にしても、中国とは大きく考え方が異なっており、国民党が政権を握ったからといってそう簡単には統一には動かないとは思うが。
さてさて、物事は急ぎすぎてもしょうがない。一歩一歩確実に進めていかなければならない。台湾正名運動には国号を変える以外にもさまざま点で正名が必要である。国号以外にも中国的要素の強い名称が台湾にはあっちこっちに飛び交っている。昔よりはましになっているが、今後も少しずつ改めていかなければならない。しかもこれらは国号そのものを変えるよりも比較的容易なはずである。しかしひとつひとつは容易でもたくさんありすぎて結構時間がかかりそうである。これから具体的例を挙げていこう。

台湾では今でも民国元号が用いられている。辛亥革命が起きた1912年を元年とするもので、今年(2004年)は93年にあたる。日本、タイ、イランなど独自の元号を用いている国は世界中にいくつかあるが、台湾の元号は台湾のものではない。民国元号はやめて西暦だけにすべきであろう。
日本国内にある台湾大使館は「台北駐日経済文化代表処」という名称になっている。なぜ台北なのだろうか。この機関はもちろん台北だけでなく、台湾全国を代表している。台北を台湾に改めるべきである。
台北に最も近い国際空港は中正国際空港という。中正とは蒋介石のことだ。歴史的な人物の名前をつけるのはその国の自由かもしれない。シンガポール航空ではビジネスクラスのことをラッフルズ・クラスと呼んでいるし、ブラジルのF-1サーキットにネルソン・ピケ・サーキットというのがある。蒋介石が台湾史で重要な人物であることに間違いない。しかしいつも中国に目を向けて、大中華帝国の皇帝として復活することを望んでいた人物の名前を空港の名前につけるのはやはりふさわしくない。しかも蒋介石は台湾史で重要な人物であっても台湾史に貢献した人物ではない。ここはやはり地名をつけて桃園国際空港とすべきであろう。
中華航空なんていうのも困った名前だ。大規模な事故を何度か起こしたので、知名度が高いが、日本人の多くは中華航空が中国の航空会社だと勘違いしているのではないだろうか。しかも事故多発会社ときているから、台湾が中国に迷惑をかける珍しい例である。中国のためにも中華航空の名前はかえたほうがいい。
スポーツの大会に参加するときには中華台北、またはチャイニーズ・タイペイというなんともわかりにくい名称を用いている。台湾のスポーツ選手は台北市民しか国際大会に参加できないのか。もちろんそんなことはない。これもきちんと台湾にすべきである。
台湾はWTOでは台湾・澎湖・金門・馬祖という長ったらしい名称で参加しているが、台湾で充分である。朝鮮民主主義人民共和国なみの長ったらしい名前はやめて欲しい。カリブ海のトリニダード・ドバゴやセント・クリスト・ファーネイビスのように本当に国名が長いのであればしょうがないが、わざわざきちんとした国名があるのに4倍も長くする必要はないであろう。
台湾にはいまだに台湾省と福建省という行政区分がある。台北に旅行に行って、台北市ナンバーの車と台湾省ナンバーの車を見て不思議に思った方も多いであろう。98年に省議会は廃止されたが、いまでも行政組織として存在している。これは完全に廃止して、県と市だけで充分である。昔と比べてましになったはずだが、今でも台湾は、その国家規模に比して異様に巨大な行政組織を有している。
台北市には国父記念館があるが、孫中山(孫文)は台湾とは全く関係ない人物なので台湾の国父ではない。ここは孫中山記念館と正名すればよい。
正名運動を推し進めるに当たって、孫文は蒋介石よりも邪魔な存在である。なぜなら蒋介石は26年間台湾に君臨したのに対して、孫文は二回台湾に短期滞在しただけである。台湾から孫文という人物を徹底的に排除すべきである。100元札には孫文の絵が載っている。なかなかりりしい顔をしているとは思うが、顔がよきゃいいもんじゃない。世界広しといえでも、その国の歴史に関係のない人物がお札の図柄となっている国は台湾をほかにおいてないであろう。私のお勧めとしては台湾の少数民族を図柄として使用してはどうかと思う。少数民族の中でも比較的多数派のアミ族やタイヤル族なんかいいかもしれない。
難しいのが道路名である。台湾の各都市の道路は中山路、中正路のほか、南京路、長春路、洛陽路、北平路、西安路、成都路、重慶路、広州路などなど数え上げればきりがないが、中国各地の地名が付けられている。全部変えるのが望ましいのだが、真っ先に帰るべきなのは中山路であろう。
そういえば台湾には中国国民党と中国新党という政党がある。世界広しといえども、外国の国名を使った政党が存在する国なんてあるだろうか。日本にアメリカ民主党とか、中国社民党など存在しない。中国新党はすでに滅亡寸前なので放っておけばいいが、中国国民党は台湾国民党、もしくは国民党と正名すべきである。実際に国民党本土派の議員にはそのように主張しているものもいる。
 そのほかにも、私が把握しきれないものがたくさんある。中国銀行、中華棒球協会(棒球は野球のこと)などなど。こういうのがきっとたくさんあるに違いない。
 声明すべきは日本国内にもある。日華親善協会は日台親善協会に、日華友好議員連盟は日台友好議員連盟に正名すべきであるし、台湾人が所有する外国人登録証の国籍記載欄は中国ではなく、台湾とすべきである。
とまあこのようにやるべきことがたくさんたくさんある。2008年まであと4年あるわけだから、それまでの間にこれらのことをちょっとずつちょっとずつ進めていくべきである。

 

  

 

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