李登輝訪日特集@ 李登輝氏の思うがままに

 待ちに待った李登輝先生の来日がついに5月30日に実現することとなった。昨年は5月と9月に訪日が予定されながら、健康状態が思わしくないためいずれも延期となってしまった。今回の訪日は2004年12月以来、2年5ヶ月ぶり、総統退任後3度目となる。一日本人として、心から盛大に歓迎したいと思う。
 主な日程は、6月1日に東京・六本木の国際文化会館岩崎小弥太記念ホールで行われる第1回後藤新平賞授賞式で「後藤新平と私」と題して講演する予定。2日には日光経由で仙台入りし、宮城、岩手、秋田の3県で奥の細道ゆかりの地を歩き、6日には秋田市内の国際教養大学で講演を予定している。7日には都内で講演を行い、帰国する9日には記者会見も予定されている。
 李登輝氏は90年代前半から度々訪日を希望してきたが、その度に中華人民共和国が野蛮な妨害を繰り返し、日本の腰抜け外務省は中国の逆鱗に触れることに恐れおののいて李登輝氏へのビザ発給を拒否し、広島アジア大会への訪問も、京都大学100周年記念式典への参加も、慶応大学での講演も実現できなかった。中国の横暴さは到底国連安保理常任理事国にはふさわしくないし、日本政府の偽善者ぶりも情けない限りである。その後、総統退任後に二回訪日が実現したので、中国政府が望むような最悪のシナリオ(中国共産党が望むことは大抵人類にとっては最悪のシナリオである)は避けられたものの、過去2回、総統でも国会議員でもない一私人が訪日するに当たっては相当の紆余曲折があった。
 日本政府の無礼な態度に対し、李登輝氏は常に冷静で、しかも遠慮がちであった。「日本政府に迷惑をかけたくない」ということでビザ申請そのものを諦めたり、前回の訪問時に日本政府は「政治活動をしない」などの条件をつけたにも関わらず「日本政府に感謝したい」と述べている。李登輝氏の心の広さには本当に敬服に値すると思う。
 それにしても中国の妨害工作は強烈で狂人のようだ。2004年の12月に日本政府が正式にビザを発給してからも執拗に入国を拒否するよう日本政府に「厳命」してきたし、王毅駐日大使に至っては「李登輝は戦争メーカー」という本末転倒で無礼極まりない発言まで飛び出した。戦争になるとしたら中国から台湾に侵略するのだから間違いなく戦争メーカーは中国側である。今回も中国政府が妨害してくる可能性は充分にある。日中関係の悪化を懸念する声もあろうが、中国の野蛮で理不尽な要求に屈して何が「友好」なのだろうか。正義と倫理を踏みにじってまでヤクザ国家との「友好」を維持する必要があるのだろうか。日本政府には毅然とした対応を求めたい。そして我々日本国民は中国の暴力的な干渉を跳ねつけ、李登輝氏を盛大に歓迎すべきである。
 李登輝氏は今まであまりにも遠慮を繰り返してきた。私は今度の訪日ではできうる限り氏の思うがままに行動してほしいと思う。総統時の李登輝氏にはその公的立場もあり、率直な意見を言うことができなかった。99年の二国論発言はあまりにも有名だが、そもそも総統時の李氏は統一を主張することのほうが多かった。だが退任後は徐々に自らの考えを率直に主張するようになった。中華民国は存在しない、国名を中華民国から台湾に正名すべき、尖閣諸島は日本の領土など、総統の立場では絶対に言えなかった発言を繰り返すようになった。だが2004年12月の訪日時では一切の政治的発言は影を潜めていた。もはや李登輝氏は遠慮する必要はないと思う。日本も台湾も民主主義国家である。訪日時には自身の考えを堂々とマスコミに向って発言してほしい。李登輝氏は85歳の高齢になるが、まだまだやり残したことがあると李登輝氏自身が一番感じているのではないだろうか。
 李登輝氏の訪日は今回が最後であってほしくない。ご健康を回復されて、あと数回は訪問していただきたい。そして台湾のため、日台友好のためにももっともっと活躍してほしいと期待している。
 今回の訪日ではぜひ実現してほしいことがある。李登輝氏による靖国神社参拝である。もちろんこれは強制できることではない。だが李登輝氏は以前から小泉総理の靖国神社参拝を支持しているし、自身も靖国神社参拝を希望している。しかも靖国神社には李登輝氏の実兄も祀られている。ぜひとも自らのご意思によって参拝を実現していただきたいと願っている。当然ながら中国や台湾国内の反台親中マスコミからの批判を浴びるであろう。だが我々としてはそんな批判を吹き飛ばすぐらいの支持を表明しようではないか。
 繰り返し言うが、一切の遠慮はいらない。幸い今回の訪日では講演会や記者会見も予定されている。遠慮をせずに、李登輝氏の思うがままに発言し、行動することが、台湾のため、日本のため、アジア全体のためにも有益なのである。
 
     

 


 

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