チベット、東トルキスタンも忘れるな

人間とは自分の生活と関係のないことにはなかなか関心を持ちにくい。とある掲示板で親中派の日本人に「尖閣諸島はどちらの国に帰属すべきだと思いますか」と質問したら「両国政府で話し合って決めるべき問題です」などというたわけた答えが帰ってきたことがある。カシミール問題や北アイルランド問題をどう思うかという質問であればそのように答えても良いであろう。しかしあろうことか日本人が尖閣諸島の帰属問題について「両国政府で話し合う問題」と答えるとはどういうことであろうか。このような売国的な日本人が少数派であることを望みたい。かりにもし中国人との友好関係を考えてこのように考えているのだとしたら全く無駄である。このような答えでは中国人は納得しない。日中友好を望むのであればはっきりと「尖閣諸島は中国の領土である。日本政府は即刻尖閣諸島を中国に返還すべきである」と述べなければならない。そうでないと中国人は納得しない。
 日本人がどの程度、台湾に関心を持っているか、その尺度は難しい。あまり関心がないともとれるし、大いに関心を持っているともいえるかもしれない。私の感覚では、政府やマスコミの見捨てたような態度とは裏腹に、意外に日本人は、台湾が日本の友好国であり、ぜひとも独立して欲しいと思っている人が多いような気がする。どうでもいいとか、今のままでいいと思っている人も多いようだが、統一したほうがいいと考えている日本人は明らかに少数派であろう。すでにこのサイトの掲示板でも幾人かのかたがたから励ましや応援の言葉をいただいた。
 さてさて、日台両国にとって中国とはアジアの平和をおびやかす敵国であることは論を待たない。中国から迷惑を被っている国は日台だけではない。フィリピン、ベトナム、インド、シンガポールなども大いに迷惑を受けている。今挙げた国の中で最も中国から迷惑を受けている国は台湾であろうが、実際には台湾が幸せに思えるぐらい、中国に悲惨な目に合わされている国がある。チベットと東トルキスタンである。
 チベットは2100年の歴史を持つ文明国である。7世紀にはチベット仏教を基礎におく王朝が築かれ、初代国王は唐朝の妃を嫁にむかえ、蔵中両国は長い間友好関係を築いてきた。17世紀にはダライ・ラマ1世が即位している。18世紀後半には清国の支配下に入ったことになっているが、実際には総督をおいただけで、現在のイギリスと英連邦下のカナダ、オーストラリア、ニュージーランドのような関係である。つまりチベットは一貫して独立国家であったといっていい。辛亥革命直後にはダライ・ラマ13世が独立宣言もしている。

チベット国の国旗

 チベットが初めて本格的に中国の支配下に入ったのは1950年、中国がチベットを侵略したときである。それでも日本の台湾、韓国の植民地支配や満州国の間接支配のようにそれらの地域の飛躍的な発展に貢献していれば非難される筋合いはないであろう。だが現実には中国の植民地支配下で120万人のチベット人が虐殺された。チベットの人口の5分の1に相当する。さらに4500個の仏教寺院が破壊された。これはなんと仏教寺院の99%に相当するという。これらの中には歴史的に貴重な文化遺産もたくさんあったに違いない。世界史上これほどまでに徹底した文化破壊が行われたことがあっただろうか。
 ちなみに、チベットとは、現在のチベット自治区だけでなく、青海省のほぼ全域と甘粛省、雲南省、四川省の一部が含まれる。
 つづいて、東トルキスタンについてだが、知らない人のために解説すると、東トルキスタンとは中国で新疆ウイグル自治区と呼ばれている地域である。新疆とは清代につけられた名称とはいえ、「新しく征服された土地」という意味の現地人にとっては大変侮辱的な名前である。であるからして、東トルキスタンと呼ぶのが正しい。
なぜ「東」なのか。世界地図をみればわかると思うが、この国の西側にはカザフスタン、キルギス、ウズベキスタン、トルクメニスタンなどのチュルク系(トルコ系)の国家がある(タジキスタンはチュルク系ではなく、イラン系に近い)。カスピ海の向こう側にはアゼルバイジャン、トルコ、北キプロス・トルコ共和国(この国はキプロスの中にある人口7万人の小国でトルコ以外の国は国家として承認していない)などのチュルク系国家が存在する。これだけ説明すればわかると思うが、東トルキスタンは最も東に位置しているチュルク系国家なのである。

東トルキスタンの国旗

東トルキスタンはチベットと異なり、歴史的に見て中国とほとんど関係ないとは言えない。すでに西暦前に漢の支配下に入ったこともある。とはいえ、一貫して中国の歴代王朝の支配下に入っていたわけではない。この地域は歴史上、様々な王朝、民族が入り混じっており、非常に複雑である。ウイグル族が住み始めるようになったのは今から900年ほど前であり、それ以後、この地域は一貫してウイグル族の居住地域であった。1930年代には正式に東トルキスタン共和国が建国された。ただし複雑なことに同共和国の領土は現在の新疆ウイグル自治区の領土の半分にも満たず、ウルムチさえも入っていない。だが、この当時、現在の新疆ウイグル自治区と呼ばれる地域全てが中華民国の支配下に入っていなかったことも事実である。1949年後半に中国による侵略を受け、東トルキスタンはほとんど無抵抗のまま中国の植民地となった。そして中国による徹底的な残虐行為と破壊行為が行われたことは論を待たない。
もう一度言うが、中国によるこれら両国の植民地支配が良心的なものであれば、別にそのままでいいと思うし、諸外国が干渉するべき問題ではないだろう。やはり大きな問題は中国の植民地支配によってこれら両国は虐殺、破壊などの恐るべき残虐行為を受け続けたことだ。となれば最善の解決策は独立以外に考えられない。
ある人はいうかもしれない。歴史上欧米諸国は世界中を植民地支配してきた。スペインは中南米を植民地化し、徹底的な虐殺を行い、この地域の言語を根絶やしにしてしまった。ヨーロッパ諸国はアフリカを植民地支配し、徹底的な搾取を行った。イギリスはオーストラリアを植民地支配し、アボリジニを大量虐殺し、白人を大量移住させ、オーストラリアを白人国家にしてしまった。さらに欧米諸国はアジア諸国を次から次へと植民地化した、などなど。それは全くの事実である。スペインの中南米支配やイギリスのオーストラリア支配などは中国のチベット支配に勝るとも劣らない残虐支配であったかもしれない。しかし一点だけ異なる点がある。中国のチベット、東トルキスタン侵略は第二次世界大戦後に行われたものである。中南米諸国は19世紀中にほとんど全て独立を果たした。第二次世界大戦中には植民地主義の放棄が決定され、終戦後にはアジア・アフリカ諸国が次々と独立を果たしていく中で、チベットと東トルキスタンは植民地とされたのである。第二次世界大戦後も世界中で幾多の戦争が起こってきたが、外国を完全に占領して植民地とした例は皆無に近いのではないか。1990年にはイラクがクウェートを侵略してイラクの一つの州としたが、一年も持たなかった。そういう意味で中国のチベット、東トルキスタン植民地支配は到底正当化できるものではない。
ある人はいうかも知れない。現在では中国はこれら両地域を積極的に開発しており、昔と比べて人々の生活は間違いなく豊かになった。道路や鉄道や空港が建設され、高層ビルまで建っている。現在ではまちがいなく良心的な支配が行われている。このような意見はマスターベーション以外の何ものでもない。中国がチベット、東トルキスタンを植民地化して50年以上が経過している。中国の一人当たりGDPは千ドル程度である。チベット、東トルキスタンが中国全体の平均値より特別高いとは思えない。おそらくやや低いであろう。一人当たりGDP千ドル前後というのはどう考えても豊かとはいえない。貧しいと言って間違いない。半世紀以上たってもチベット、東トルキスタンは豊かになっていないのだ。「昔と比べて格段によくなった」とあるひというかもしれない。だが50年も前より豊かになっていない国などあるのだろうか。たかが一人当たりGDP千ドル程度でえばれる水準ではない。「中国の支配下に入らなければこれら両地域は経済発展ができない」などと言う人もいるかも知れない。これは一理ありそうな気もするが実際のところそうともいえない。中国の侵略後、少なくとも30年間は反右派闘争、大躍進運動、文化大革命など、運動につぐ運動、破壊につぐ破壊、虐殺につぐ虐殺が行われた。中国の植民地になっていなければこのような悲劇は経験せずにすんだわけだから、今頃もっと豊かになっていたかも知れない。しかも独立していれば当然ながら先進国から直接援助をもらえる。現在では中国の植民地支配下なので、先進国からの援助は北京や上海などの中心部に集中し、内陸部はいつまでたっても後回しである。東トルキスタンの場合はさらに状況は深刻で、この国には大量の石油が埋蔵されているが、中国によって搾取され、中国全土の開発のために使われている、もし東トルキスタンが独立を維持し、大量の石油を諸外国に輸出していればもっと豊かな国になっていたに違いない。
世界中を見渡してみると、現在でも欧米の植民地となっている地域はあるにはある。フランス領ギアナ(南米)、スペイン領西サハラ(アフリカ)、イギリス領ジブラルタル(スペインの先端)、フランス領タヒチ、アメリカ領サモアなどなどそのほかにもいろいろある。これらの現存する植民地と比べると、チベット、東トルキスタンの面積はデンマーク領グリーンランドの次に大きい。しかもグリーンランドは人口わずか5万人である。グリーンランド自治政府首相は一時期独立も考えた。しかし産業基盤が全くないので、広大な土地を利用して、核廃棄物の処理場として利用してもいいと国際社会に訴えたことがあったが、何の返事も得られなかった。それどころかグリーンランドの住民からは「先進国のゴミ捨て場にするなんてとんでもない」などという意見が寄せられ、結局独立は不可能という結論に達している。
さて、人口についてはどうであろうか。東トルキスタンの漢族をのぞく住民の人口は約一千万人で、スイスやオーストリア、アイルランド、デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、ベルギー、スロバギア、スロベニアなどの人口よりも多く、ついこの前オリンピックを開催したギリシャの人口とほぼ同じである。国家を築くのに充分な人口があることはもちろんだが、世界中の全ての植民地の人口の合計よりも多い。ジブラルタルの人口は5万人、グアムの人口は20万人、ギアナの人口は14万人などなど、国家を築くには絶対に不可能とまではいえなくとも、あまりにもこころぼそい地域ばかりである。一千万人の人口がいれば常識的に考えて植民地でいるよりも独立したほうがいいのではないか。現在、パレスチナがイスラエルからの独立のために努力しており、アラブ諸国やアメリカからも支持を受けているが、パレスチナの人口は東トルキスタンの非漢族人口の10分の1である。
 ところで、「何はともあれ、最近20年間はチベット、東トルキスタンは飛躍的に発展したのは間違いのない事実なのだから、これら両地域の住民は中国に感謝すべきだし、今後も中国にとどまったほうがいい」と考える人もいることだろう。一見真っ当な意見に見える。しかし現在の中国のチベット、東トルキスタン支配は、日本の台湾、韓国、満州支配とは決定的に異なる点が一つある。中国のやり方は中国人を大量に移住させ、中国人だらけにしてしまうことになる。すでにチベット、東トルキスタン両国では人口の半分が中国人移民で占められている。ちょっと考えてみよう。例えば日本に1億人の中国人が移住してきて、それで日本が急速に経済発展を遂げてアメリカを超える世界一の経済大国になったとしたらあなたは中国人に感謝をするだろうか。人口12億を超える中国人の最大の武器はこの人口である。中国人を大量移住させ、街中を中国語で溢れさせ、中国語による教育を受けさせ、テレビや新聞、大衆娯楽に至るまで中国語で行い、ついには両国の人々を中国人に同化させてしまうという恐るべき侵略計画である。チベット、東トルキスタンだけでなく、ロシアのシベリア地域も中国の人口による侵略を受けている(ただし、私は中国のシベリア侵略には異議をとなえるつもりはない)
いろいろ説明したが、中国のチベット、東トルキスタン支配が正当化できないことはご理解いただけたと思う。中国は日台両国の共通の敵であると同時にアジア共通の敵である。台湾の独立を確固とするためには、中国を効果的に貶めなければならないが、そのためにもぜひともチベット、東トルキスタンにも関心を寄せて、中国に断固たる抗議をしてもらいたいものである。

 

  

 

 


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