李登輝友の会神奈川県支部時局講演会千葉発日台共栄より転載)
 
 

千葉発日台共栄より転載、写真は当サイトオリジナル)

まだ松の内、日本李登輝友の会の中で2008年最初の活動行事が、神奈川県支部の「時局講演会」でした。

タイトルは「アジア太平洋地域の安定と中国の海洋進出」で、講師は元対潜哨戒機パイロット・海将補、川村純彦研究所代表で岡崎研究所副理事長、李登輝友の会千葉県支部長の川村純彦氏(*注記)です。

まずは石川公弘支部長が開会の挨拶にて、「厚木基地見学の将官の口から、任務の中に防衛と言う言葉が一切無く、災害復旧や水難救

開会の挨拶をする神奈川支部長の石川公弘氏

助に終始した」事を挙げられ、日本の国防意識の低さを危惧された。

そのような中で、軍事をテーマとする講演会を開催し、講師は「理論と現場に長じている」川村氏にお願いしたとの事。

川村氏は講演の前に、昨年11月の中国の軍事評論家との討論会にて北京・上海出張時の体験談を披露された。

・五輪会場やその周辺:全般的に突貫工事、まだ整地中の場所もあり
・大気:晴天強風の4日間、いずれも航空機の窓からの視界が5km以下
・水:上海では洗面できず、北京では断水、飲み水は日本からペットボトル持参
・会場内での暴徒対策:不十分であり、どのような対策を取るのかが不明

このうち、視界については元パイロットの目からで見ての事であり、これは説得力があった。

全般的には当局の五輪に対する執念とは裏腹に実態は悲しいばかりの状況である事。
最低限選手に対する配慮は威信をかけて対処するのでしょうが、観客観光客に対してはどうなるかはわかったものではないと感じた。

さて、アジア太平洋地域はアメリカの力があって今は辛うじてバランスを保っているが、そのバランスを崩す危険要素は幾つかあり、その一つが中華人民共和国(以下、中国)であるという。

中国は2006年頃から外交方針を台湾、日本に対してもソフトかつ、えげつない戦法、裏工作に転換してきているようです。裏工作と言うのはアメリカ下院での従軍慰安婦問題やハリウッドに働きかけての南京の映画製作など、日米安保に対する揺さぶりです。

中国は影響力確保ではほぼロシアとの国境が確定した北方の大陸ではなく、海洋進出が大方針となっている。70年代から80年代にかけて西沙諸島、南沙諸島の小島に侵攻し、領有の既成事実を作ってきた。外交的にも二国間協議とし、軍事力を背景に常に有利に交渉を進めてきた。

最近の中国は経済発展、国力増強のもと、アメリカとの覇権争いに加わってきた。
当然軍事費の伸びは莫大で20年近く二桁増である。こうした事が中国共産党独裁体制を支える大きな原動力となっている事は言うまでもない。

講演を行う川村純彦氏(李登輝友の会千葉支部長)

一方、日本は周囲を海で囲まれた海洋国家であり、加工貿易国家でありながら戦後の海洋戦略が失敗し、気づいた時には絶望的な状況となっている。海洋戦略と言うのは別に戦争ではなく、「海運」と考えてみたら分かりやすいかも知れない。

世界の海運取扱量は2006年時点で70億トンであり、日本の取扱量は同年で10億トン
船舶隻数に直すと、年間12.9万隻、1日354隻、毎時約15隻です。それらの船が扱う物量を以って、今の日本の生活必需物資や外貨を得ているのです。

例えば、台湾が中国に併呑されて海上勢力範囲が変わり、台湾海峡の安全な通行が出来なくなった場合は護衛艦の数から計算して2週間に1度50隻程度の船の物資(隻数ベースでは1%)しか日本に入ってこなくなるとの事です。

日本においては船籍登録の高額な税や厳しい制約から海運事業は完全に取り残され、下記の状況が起こっています。

・日本登録船籍  95隻 (パナマやリベリアなどの便宜的置籍船が世界の過半数を占める)
・船員数  2650人(辛うじて船長が日本人であればまだいい方)
・商船大学 神戸と東京にあったが、海洋大学に編入、卒業生の大半が船乗りを拒否する。
・ハブ化失敗 貨物取扱量が上位20位に日本の港は全く入っていない

日本向の物資や日本が輸出する物資の輸送を担当する船がパナマや韓国籍であった場合、例えば公海上で非常事態が起こった時には、集団的自衛権の問題もあって自衛隊が守ることが出来ないという漫画のような状況がおこる可能性があるとの事。

また、コンテナ船増加により、テロの手法もより高度化、そしてOA化、自動化の脆弱性もあわせて危機管理が強く求められる状況にある中、中国の海洋進出による周辺諸国との摩擦は頭が痛い問題です。

海洋国家群の主要な安全保障任務としては海上防衛(生命・独立・名誉を守る)、シーレーン(物流と軍事)の安全確保、海洋資源の確保であるが、日本のその防衛戦略は心もとない。

現状、海洋を守っているのは海上保安庁と言うのは警察であり、警察業務はあくまでも被疑者の逮捕、そして送検が仕事であり、その内容は根本的に軍隊とは性格が違う。

一方で、中国はしたたかに海洋戦略を立て、先に述べた南沙諸島等の領土拡張、ゼロサムゲーム・パワーバランスの隙を狙う戦術(ガス油田問題等もそうです)、そして何よりも軍事力を使うことを躊躇しない体質などのもとでどういう事が行われているか・・・

・第一列島線(既に実効)、第二列島線の策定(添付図参照)
・航空母艦の建造(ロシア母艦ヴァリアーグの改装、そして中国産母艦の建造→これはもう少し先)
・東シナ海での軍事行動
・バックファイアー(旧ソ連の爆撃機)導入 (添付図参照、シーレーン防御に多大な影響あり)
・対艦弾道ミサイルの開発(添付図参照、日本は射程距離内で、潜水艦での対応は無理)

会場には約80人が集まった。

確かに中国では作戦遂行上に弱点があり、航空母艦自体がカタパルト無しと言う性能面で米軍空母に比べて劣ること、航空母艦建造もその使い方を余り理解していないこと、メンテ面での稚拙さ等の弱点があるとは言え、中国に攻め入る国がこれから存在するとは思えない世界情勢の中でこれだけの軍備拡張と言うのは大きな脅威になりうることが理解できる。

それに対抗するには日米安保体制と自国防衛の強化であるとの事。

地図を見ると日本と台湾は海洋上の同一線上にあり、日本と台湾が手を結ぶことは中国の海洋進出の大きな牽制球になる。

それには戦後レジームを脱却し、国軍整備、憲法改正、集団的自衛権の問題を実情にあったものとすると共に、日米同盟論者である講師であるが「同盟は一緒に戦ってくれるが最後の運命までは共にしない」と安易な日米同盟への過信や妄想に対して警鐘を発し、中国の南沙諸島の問題もあげながら、「軍事力が背景にない外交はいかに無力であるか」とまとめた。

それと、核武装についても「避けては通れない問題」とした。
しかしながら、「闇雲な核武装と言うのは反動(イランや北朝鮮のように国際的な孤立を招きかねない)もあり、例えばイギリスのような、アメリカと丁々発止の議論をやった上で、アメリカと核の共有をするなどの方法を考えることが大事」と説明した。

また、核武装だけでなく、「すぐにでもやれることも実施する事が肝要との事で、例えば巡航ミサイルの導入、南西諸島への自衛隊常駐等も考えなければならないが、これは政治の問題であり、次に政権を取る内閣には期待したい」との話があった際には一同爆笑であったが。

軍事から離れたところでも「中国のチベットや内モンゴルなどの少数民族の支援、そして中国へのメッセージも即効性が無いかもしれないが効果がある」と言及した。

質疑応答を含めて約2時間、軍事関係者にとっては基本的な部分でしょうが、大抵の方は私も含めて軍事そのものについてタブー視された中

閉会の挨拶をする台湾高座会の佐野た香氏。

で殆ど考える機会がなかったので、改めて防衛について考えるには、初心者にも分かりやすい内容で非常に有意義であった。

私個人の事で言うと、兵器については殆ど見たことがなく、ナカナカ言葉が出てきてもイメージがわかなかったので、今年は軍事施設を是非見学したいものです。

なお、講演会は80人以上が参加、その後の懇親会も60人近くが参加し、最近台湾のネット上で人気の馬頭人、鹿頭人も現れて和やかな雰囲気と笑いの多い懇親会となった。
馬頭人さん、鹿頭人さんもお疲れ様でした。

また、時局講演会の転載など、PRにご協力頂いたKABUさんにご来場頂き、大変感激したものです。
お会いしたKABUさんはブログでの鋭い戦後民主主義を痛烈に批判する論評とは裏腹に、大変気さくで紳士的な方で、談笑に花が咲いたのは言うまでもありません。
KABUさん、ご来場ありがとうございました。

 

懇親会会場に掲げられた横断幕 

 

 

     

 

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