台湾本土派の敗北ー本土化への改革を後退させるな

大方の予想に反し、台湾本土派は敗北、中国派の勝利となった。台湾派の敗北の原因に、平均配票の失敗や、民進、台連両党で票を奪い合ってしまったことなども挙げられるが、もちろんそれだけではない。得票率は前回よりも5%弱上回る程度の46.16%で、依然として野党の得票率よりも低い。しかも国民党は大幅に得票率を伸ばしている。日本のマスコミなどでは選挙直前に陳総統が、「中国」を冠した企業名を台湾に二年以内に変更するなどと発言したことが反発を買ったなどと述べられているが、要するに、陳総統の台湾本土化路線が台湾国民から十分に支持されていないのだ。要するに台湾における台湾人意識はまだまだ不十分で未成熟なのである。普通の国の基準で考えれば、民進党と台湾団結連盟がそれぞれの主張を掲げ、お互いに非難をしあいながら競争するのが選挙らしい選挙である。しかしこの国では、台湾をより台湾化するか、それとも中国化するかで、政党同士が激しい争いをしている。日本にも社民党や共産党などの売国政党があるが、これら売国政党でも、いくらなんでも日本を中国と統一させようなどとは言っていない。だが台湾では、台湾を中国に売り渡そうとする売国政党が約半数の支持を得ている。戒厳令解除から17年、台湾の改革はまだまだ先が長そうである。
 では、今回の選挙結果を政党別に3年前と比較しながら分析してみよう。


 民主進歩党 87→89 33.38%→37.98%
2議席増やしたとはいえ、大いに不満であろう。得票率が増えていることに若干の成果が感じられる。
 台湾団結連盟 13→12 7.76%→8.28%
台連はなんと議席を後退してしまった。得票率も0.52%しか増えておらず、完全な敗北である。李登輝前総統の力を持ってしても、成果らしい成果を残せなかった。台連は将来的には民進党と並ぶ台湾の二大政党の一角を担うと期待されていただけに、失望は大きい。

台湾本土派の合計 100→101 41.14%→46.26%

3年前と比べて1議席増。過半数の113には遠く及ばず、むろん敗北である。だが得票率が5%伸びていることに若干の希望が見える。
 

中国国民党 68→79 28.79%→34.90%
議席数、得票率ともに大幅アップ。連戦連敗を続けてきた連戦主席にとって始めての勝利である。もし今回敗北していれば今度こそ責任問題が生じていたであろうから、連戦にとってはほっと一安心であろう。86年以降、国政選挙で国民党が前回選挙よりもこれほど上昇したことは初めてのことである。主要政党で唯一満足な成果を残したといってよい。
 親民党 47→34 18.57%→14.78%
大方の予想通り、得票率、獲得議席数ともに後退させた。最もダメージが大きいといえば大きいが、もともと今回議席数を激減させることは予想されていたことであり、思ったよりもダメージが大きくなかったかもしれない。依然として台連との差は大きく、第三党の地位は安泰である。
 中国新党 1→1 2.61%→0.13%
特にいうことはない。崩壊寸前であることは間違いない。

中国派の合計 116→114 49.97%→49.79%

2議席減少したものの、今回は大幅な減退が予想されていただけに、過半数確保は間違いなく勝利といえる。
 
 さて、今後の展望を考えてみよう。
まず中国派についてだが、国民党の勝利により、当分の間連戦の国民党主席退任はなくなったといえる。するといったいいつまで連戦大勢が続くのか不透明である。連戦としては再び08年の総統選挙に三度目の正直を挑みたいところだろう。08年には72歳となるが、李登輝前総統が74歳で総統選挙に当選したことを考えると、年齢的にはさほど問題なさそうである。しかしもともと人気がなく、総統選挙で2連敗を喫した連戦が08年の総統選挙で勝つのは難しい。次回は副総統候補に馬英九をすえて、馬英九人気での当選を狙う可能性が高い。台湾本土派にとっては馬英九が国民党主席になるよりも、連戦がもうちょっと居座ってくれたほうが都合がいいだろう。
 注目すべきことは国親両党の合併がなるかどうかである。07年の選挙では小選挙区制となり、両党が合併すれば十分民進党に対抗できると読んでいるだろう。もともと合併の話は半年前から出ていたことであり、親民党が国民党に吸収される可能性は高いといえる。
 台湾本土派についてだが、忘れてならないことは、今回の選挙結果は確かに敗北であり、「進展しなかった」ことは事実だが、「後退」したわけではないということである。改革の速度は鈍るだろうが、決して後退させてはならない。今後も台湾本土化への改革に邁進すべきである。07年の立法議会選挙では必ずや過半数を獲得できるように努力してもらいたい。08年の総統選挙については、私としては民進党から総統候補、台連から副総統候補を送り込めばいいのではないかと思っている。両党が合併することは考えにくい。台連が将来の二大政党の一角を担う可能性はまだまだ十分残されている。台連は独自色をさらに強め、復活することに期待したい。
 今回は選挙の数日前から、台湾本土派の勝利を想定して論説を用意していたが、予想外の敗北で、新たに書き直さなければならなくなってしまった。しかも敗北によって、勝利した場合と比べて改革のスピードが鈍化することは避けられず、必然的に今回のの文章も短くなることは避けられなかった。もともと3500字程度の文章を用意していたが、結局2700字程度になってしまった。
 今回の敗北をばねとして、本土化の改革を進めていかなければならない。繰り返し言うが、今回の選挙では「進展しなかった」ことは事実だが、決して「後退」はしていない。得票率は5%伸ばしている。今回の選挙で中国への統一が近づいたと思う人がいれば、それは大間違いである。与野党とも3年前と比べてほとんど現状維持であり、中国との心理的距離は全く近づいていない。また、台湾で選挙が行われるほど、台湾の民主主義政治の実績は増すことになる。特に今回陳水扁総統は素直に敗北を認め、当選した全ての議員にエールを送るなど、台湾の民主主義政治が極めて高い水準に達していることを物語っている。いまだかつて民主的な選挙が一度も行われたことのない封建独裁国家中国とはあまりにも大きく異なっている。

 また、我々日本人は、今後もしっかりと台湾を応援していかなければならないであろう。台湾が中国に併呑されてしまったらどのような恐ろしい結果となるか良く考えてみるといい。アジア全体の平和のためにも、台湾の本土化を側面から支援しようではないか。

 

     


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