醜悪な中国人の考え方

私は中国広東省の日系企業で3年間勤めた。仕事はほとんど日本語だけで大丈夫だったので、中国語は日常会話ができるまでに至らなかったが、それなりに中国人とも交流し、ある程度は中国、ならびに中国人を理解できたと思う。基本的に中国人は我々と同じ人間である。高校受験や大学受験で苦しみ、それなりの年齢になったら恋愛をし、仕事をしてお金を稼ぎ、結婚して子供を儲け、家族のために一生懸命働く。我々日本人やその他の国々と全く同じである。
何ばかげたことを言っているのだろう、とあなたは思うかもしれない。要するに、時として私は、中国人は我々日本人や台湾人やアメリカ人や、いや、何人でもいい、中国以外のありとあらゆる国家、民族と異なっていると感じる。それこそ同じ人間ではないのではないかとまで感じるのである。なぜそのように思うのだろうか。それは中国人には個人の自由な考え方が許されていないからだ。許されていないというか、完全に頭の中の思想がコントロールされているのだ。誰によってコントロールされているのか。もちろんこの国の政府、中国共産党によってである。本人は自分の考えで述べているつもりでも、それはどう考えても本人の考えではなく、上から操作されたものである。世の中、完全に自由などということはありえない。日本でも会社の中では様々な規則があるし、社会全体に様々な無言の規則が存在している。しかし中国では個人の思想が政府によってコントロールされており、人民一人一人がそれに気づいていないという、なんとも哀れな状況に陥っている。私はつくづく自分が中国人でなくてよかったと思っている。
私の政治方面に関する様々な考え方は主に大学に入ってから幾多の書籍、雑誌、テレビ、インターネットを通じて得た知識や、3年間の中国滞在経験などを元に形成されたものである。私は決して右よりの本ばかり読んできたわけではなく、サヨク、反日本もたくさん読んできた(中学生の時には毎週日曜日にサンデーモーニングというサヨク番組を見ていた)。そういった様々な思想、情報をもとに私の考えというものが形成されたのである。
さてさて、このサイトは台湾に関するサイトなわけだから、ここでも当然ながら台湾について述べる。私は中国に在住した約3年間、多くの中国人(十数人程度)と台湾について意見を交わした。中国人の台湾問題に対する考え方は驚くほど一致している。これは何かの新興宗教の信者と似ている。宗教の信者というのは自らの宗教について語るときにみんな同じことを言う傾向がある。それと状況は全く同じである。中国人は共産党という宗教の教祖に取り付かれたかのように、みな同じことをいうのである。
言論の自由のない中国で、私はさすがに自分の本音をそのまま言うことはできない。しかしかすかな抵抗を試み続けた。
私がまず述べたことは、最も重要なことは民主主義であり、台湾問題は台湾住民の意思によって解決すべき、というものである。台湾人の大多数が統一したいと望めば統一すれば言いし、統一を望まなければ台湾住民の意思を尊重すべきであると。しかし中国人はそうは考えない。民主主義の重要さというものが理解できない。台湾の将来は中国の13億の人民が決めるべきなどと、どっかで聞いたようなせりふをいう。
私は中国は共産党一党独裁国家で、民主主義がない、台湾には民主主義が定着している、というと、いちおう中国人は事実としては納得する。しかし根本的に中国人はそのようなことは関係ないとみなしている。台湾の住民がどのように考えているかに関係なく統一すべきだと思っているのだ。
私が、統一するためには中国が民主化すべき、民主化が実現しなければ統一は20年経っても50年経っても不可能というと、彼らは決まって「それなら武力行使をすればよい」という。この「ウーリー(武力)」という言葉を私は何度聞いたことだろう。これは私にもどうしても理解できないのだが、中国人は台湾に武力行使することが全然「悪」とは思わないようだ。私がそれは侵略ではないかというと、いや台湾は自分の国なのだから侵略にはあたらない、というわかりやすい答えが返ってくる。自分の国であれば好き勝手に武力を行使して人を殺してもいいのかと問うても、台湾が統一に応じないからと、全てを台湾に責任転換する。武力行使をすればアメリカが介入して台湾を助けるから統一は絶対に不可能といっても、彼らは納得しない。中国はアメリカに勝てると本気で信じている。しかもわけのわからない根拠を持ち出す。中国は八カ国連合軍と戦って勝ったなどとたわけたことを言うのだ。これは1901年の北清事変のことをいているのだが、実際のところ北清事変で清国は勝っていない。勝っていないといっても彼らは勝ったと言い張るのだから話にならない。1979年に中国はベトナムを侵略してベトナムに負けたというと、中国人はそんなことは絶対にない、などととにかく歴史的事実というものを絶対に受け入れない。
ほかにも中国人のおかしな考え方はいろいろある。中国人は李登輝を心底憎んでいる。李登輝を永遠の罪人であるかのように呪っている。私が、2001年の4月に李登輝が訪日したとき、多くの日本人は李登輝を大歓迎したというと、「何で!!」ととにかく目が飛び出るほど驚く。とにかく李登輝は永遠の悪人でなければならないのだ。
あるとき、中国人から「陳水扁をどう思う」と尋ねられ、私が適当に「いいと思うよ」と答えたら、「宮本さんは台独分子か!」と私をまるで悪人扱いする。
ほかにも中国人は様々な事実を受け入れられない。中国人は「台湾は歴史的に見て神聖なる絶対不可分の中国の領土」などとカルト宗教の呪文のように唱えるが、4千年の中国の歴史の中で台湾が中国の支配下に入ったのは200年程度でしかない、というと、そんなことはない、もっと昔から中国の一部分である、などと、もうとにかく歴史というものを全く知らないし、歴史を受け入れようともしない。
ほかにも台湾は今不景気だだの、台湾は市場が小さいだの、国土が狭すぎるだの、国としては小さすぎるだの、的外れな意見ばかりが出てくる。市場が小さいというのはまさに笑止千万だ。中国のGDPは世界第7位、台湾は16位である。これを持ってして台湾が統一すべきならば、北朝鮮、モンゴル、ベトナム、ラオス、ミャンマー、ネパール、ブータン、キルギス、タジキスタンなど、中国と国境を接する小国は中国と「統一」することが望ましいことになってしまう。国としては小さすぎるというのも中国人特有の大中華主義と国際情勢に対する徹底的な無知によってもたらされたものだ。台湾の人口は2300万人で世界第34位、オランダやオーストラリアよりも多くの人口を抱えており、国としてやっていけないわけがない。
どんな国にも長所、短所がある。中国にも魅力的な部分はたくさんある。食べ物はたしかにうまいと思ったし、魅力的な観光名所も少なくない。私は週末になるとよくあちこちの観光名所にタクシーやバスで渡り歩いていた。親切な中国人にもたくさん出会った。しかし台湾問題に関する中国人の考え方はまさにオウムか統一教会のようなカルト宗教に取り付かれた信者のようであり、奇妙なことこのうえなかった。私は中国のこのような部分に大いに絶望されられてしまった(絶望したのは台湾問題のみならず、いろいろあるのだが、本題からそれるのでここでは述べない)。結局私は中国人とは理解しあうことができないという結論に達し、これ以上中国に滞在し続けることが息苦しく感じ、それ以上の中国滞在を望まなくなってしまった(繰り返すが、台湾問題だけが理由ではない、ほかにも中国に滞在したくない理由はいろいろある)。
それにしても中国人はなんとなく哀れに感じる。台湾問題について語り合うとき、よく中国人の口から出てくるのは「私は中国人だから」というものである。それがなんだというのだろう。もちろん愛国心を持つことはいいことである。しかし中国人だから台湾統一を望むというのはどういうことだろうか。日本人が北方領土問題や竹島問題について語るときに「私は日本人だから」などと言う人はいるにはいるだろうがあまり多くないような気がする。愛国心も重要だが、国籍による強制力のみならず、個人の考え方というものが重要なのではなかろうか。
中国人の思想の束縛を解放するためにはやはり、中国共産党政権を打倒しなければならないと思う。そうしなければ中国人に幸福は訪れないであろう。

 

 

     

 

 

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