台湾人へのビザ免除−日台関係の更なる深化へ向けて

2月9日は旧正月である。台湾、中国、韓国、香港、ベトナム、シンガポールなどで大いに盛り上がっているだろうこの日は、日本でもいくつかの喜ばしい出来事が起きていた。
まずはワールドカップアジア最終予選の北朝鮮戦で日本が2−1で勝利を収めた。スポーツと政治はなるべく切り離して考えるべきだが、多くの日本人が北朝鮮には絶対に負けたくない、と思っていたに違いない。
 それから尖閣諸島の中の魚釣島に建っている灯台について、日本政府は灯台を国有財産とする方針を表明し、小泉首相も「当然の行動」と述べた。わが国の平和と安全を守るためにも、今後も日本政府には毅然とした対応を期待したい。
 さて、何と言っても重要なテーマは、台湾人観光客がビザを申請しないで90日間日本に滞在できるための法律が国会で可決したことである。これが日台両国関係の強化につながることは言うまでもない。日本はもともと外国人に対して閉鎖的な国である。日本へのビザなし観光が認められている国は珍しい。そんな中で台湾人のビザなし渡航が認められたことは大きな成果であり、台湾人の所得の高さ以外にも、教育程度、遵法精神などが認められたものと思われる。国名は忘れたが、日本の近くのどこかの国の人々は、日本における外国人犯罪の半分、外国人凶悪犯罪の3分の2を占めている。その国と台湾とではまさに雲泥の差があるといえよう。
 また今回は中国からの圧力を跳ね返したという点でも評価できる。去年年末の李登輝氏へのビザ発給といい、今回の措置といい、本来ならば国家として当然のことをしただけなのだが、今までの日本政府の対中奴隷外交と比べると、それなりに評価してあげたくなる。
 さてさて、台湾人へのビザ免除が日本にとっても台湾にとっても大きな成果であることは言うまでもないが、2005年はまだ始まったばかりである。日台関係の進展をこれだけで終わりにしてはなるまい。
 日台関係は年内に更なる進展をさせなければならない。では何をすべきなのだろうか、政府、民間両レベルで考えて見たい。まずはなんといっても台湾人へのビザ免除を恒久化することである。今回は3月25日から9月25日までの半年間に日本へ入国した人に限って認められる措置であって、その後は再びビザが必要となる可能性がある。このような措置は最悪の場合、2005年の最後の三ヶ月は前期比、および前年同期比で観光客が減少し、観光業に悪影響を与えるという懸念も生じてくる。
 21世紀に入って日本政府は観光業に力を入れるようになり、2010年に観光客を一千万人受け入れることを目標にしている。すでに一定の成果が出ており、2004年には670万人の外国人が日本を訪れ、20世紀末と比べると2倍に増えている。今後もますます観光業を促進するため、台湾人へのビザ免除を恒久化しなければならない。(もちろん観光客は多ければいいと単純にいえるものでもない。どこかの国の人たちが大挙して押し寄せて来ようものなら、日本の治安はますます悪化し、逆に日本経済にマイナスの影響を与えるであろう。)
 我々一般人には何ができるであろうか。我々にできることは本当に些細なことで、大地震の募金に百円を寄付する程度のことしかできないかもしれない(これは比喩です)。しかしやらないよりはやったほうがいい。忘れてならないことは、一人一人の力は小さくても、みんながやれば大きな力となることだ。これが民主主義なのだ。
 では我々は何をすべきなのだろうか。日本を訪れた台湾人観光客を暖かく迎え、親切にしてあげるなどということはあまりにも常識で、しかも小学生でも思いつきそうな単純なことである。ビザ免除により、昨年よりもさらに多くの台湾人が日本を訪れることが予想される中、我々日本人は何をすべきか、結局単純なことしか思いつかないが、我々日本人も、台湾を訪問するのが望ましい。すでに何回も台湾を訪れた方も大勢いらっしゃるに違いない。しかし台湾を訪れるのは5回でも10回でもいいのだ。特にまだ台湾にまだ一度も行ったことのない方はぜひ年内に台湾を訪れてみよう。また、中国に旅行をお考えの方は、今一度踏みとどまって台湾への旅行を検討して見てはいかがであろうか。
 ほかにも日本人、日本政府がなすべきことはいろいろあるはずだ。李登輝氏の再入国の受け入れ、さらには現役の台湾政府要人の受け入れもできないだろうか。さすがに総統は難しいかもしれないが、行政院長や高雄市長を受け入れるぐらいの決断をしてほしい。総統であっても関空か福岡あたりを通過させることはできないだろうか。
 マスコミはもっと台湾についての情報を扱うことはできないだろうか。名所旧跡のみならず、政治情勢、芸能関係、台湾人の生活などをマスコミでもっともっと紹介できないだろうか。
 企業であれば台湾への投資を拡大することなどできないだろうか。日本の対台投資は90年代後半に第三次ブームを迎えたらしいが、現在では沈静化してしまっている。台湾への投資では安い労働力は期待できないが、台湾は投資環境で世界第三位の国である。私は経済方面は疎い人間だが、きっと台湾に投資するメリットはあるはずである。

 このように政府・民間レベルでできることはたくさんあるはずだ。一人一人の力をあわせ、日台関係をさらに強化させようではないか。

     

 

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