どうせ嫌われるなら徹底的に嫌われろ

立法議会選挙での敗北後、案の定陳水扁政権が苦境に立たされている。一時期親民党との連携も模索していたが、95年の日本で起きた自社連立のようなウルトラCは実現しなかった。自社連立の場合、首相は確かに村山富市が就任したが、直後に社会党が日米安保条約を認めるなど、結果として社会党が自民党に呑み込まれたような形となった。だが、台湾の場合、台湾の国家としての主体性を維持するか、それとも中国に差し出すかという、より根本的な問題で対立しているのだから連立などあまりにも困難であろう。
ところで、2月8日のメールマガジン「台湾の声」に掲載されたアンディ・チャン氏の論説は陳水扁氏を強く批判していた。最近の陳水扁は野党からの支持を得るために独立色を薄めて「中華路線」に傾いているのだという。一時期陳水扁氏は「独立を主張するものは、台湾が中国の一部ではないと言うが、私は絶対に承服できない」などと発言していた。かと思いきや、選挙直前になって再び独立色を強めるような優柔不断さが投票率の低下を招き、結果として民進党の敗北につながったと分析している。

おそらく陳総統の考えとしては、なるべく幅広い層からの支持を得たい。できるだけ嫌われたくない、というような考え方があるのだろう。
だがその陳水扁総統は李登輝前総統と共に、中国から相当な悪人と見られている。このような中国の思考、価値観は中国寄りの日本人でさえ理解に苦しむと思えるが、とにかく陳水扁氏は中国から見れば悪人であり、罪人なのだ。もはやいかに中国に配慮しようが、政策を軟化しようが、独立を放棄しようがもはやどうしようもない。中国に三年間生活した私は良くわかっているが、中国政府のみならず、一般の中国人からも李登輝氏と陳水扁氏は憎まれている。中国という国家の性格からすると、李登輝氏と陳水扁氏は死んでも中国から罪人扱いされるに違いない。中国が崩壊、分裂しない限りは。
さらに陳水扁政権が「中華路線」を進めれば、今まで陳政権を支持してきた有権者をも失望させ、彼らからも憎まれることになる。つまり全ての人々から嫌われてしまうのだ。結局のところ、中華路線は何の成果ももたらさない、無駄な政策なのだ。
しかもいくら中華路線を強調したところで、見方の浅いマスコミは理解してくれない。立法議会選挙の直後、毎日新聞と日本経済新聞は陳水扁政権を「急進」独立派とみなしていた。陳水扁政権が独立派であることは確かなのだろうが、どう考えても急進派ではない。結局日経のような見る目のない二流マスコミにはそんなことわからないのだ。
ならばどうするのか。台湾化路線を今後も推し進めるしかない。推し進めて、推し進めて徹底的に中国から嫌われるしかない。それが陳水扁政権にとっても台湾全体にとっても望ましい道である。全員から嫌われるぐらいなら、中国だけから嫌われたほうがましである。少なくとも中国から嫌われれば、多くの台湾人からは愛されることになるのだ。
急速な変化が無理なことはわかっている。あしたすぐ「独立宣言」をせよなどとはいわない。だが、企業名から「中国」を削除したり、外国にある駐在機関の名称を「台北〜」から「台湾〜」に変えるなど、できること、やるべきことはいくらでもあるはずだ。私はマイペースでもいいから進歩し続けないと気がすまない性格である。今の政権は進歩を後退させようとしている。だが後退は許されないのだ。あと残り3年間でできることをやらねばならない。中国からどんなに嫌われたっていいのだ。考えても見よう。李登輝氏は中国から見れば最高の悪魔だが、日本人からは心から尊敬されている。台湾人にとって、帝国主義独裁国家中国から好かれるのと、民主主義国家日本から好かれるのとどちらが名誉なのか、私にはよくわからない。

 

 

     

 


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