国家論@ 国家ではない地域

辞書で調べた国家
中国人は「台湾は国家ではない」という。すると当然ながら国家でなければなんなのかという疑問が生じる。そもそも国家とはなんなのかという疑問が当然生じる。というわけで念のため辞書で調べてみよう。大辞林で「国家」を調べると以下のようになっている。
一定の領域に定住する人々が作る政治的共同体。国家の形態・役割は歴史的に異なるが、一般には、近代の国民国家を指し、主権・領土・国民で構成され、統治機関を持つ。
さらに「近代国家」の項目で調べると
中世封建国家や近世の絶対主義国家の崩壊後に成立した国家。国民の代表機関である議会制度、統一的に組織された行政制度、合理的法体系に基づく司法制度、国民的基盤に立つ常備軍制度などが整備され、中央集権的統治機構をもつ国家。
さらに国際法の定義では、国家の組織には領土・人権・主権・政府という4つの要素が具備されていなければならないことになっている。

こうしてみると、台湾は国家としての用件を十分に備えていることになる。それと同時に世界中にはいまだに台湾ほど近代国家としての用件を備えていない国家らしきものが多数存在することもわかる。台湾はまぎれもなく国家である。もちろん、この重要な問題について、辞書のみで判断するつもりはない。

国でなければなんなのか
中国人に言わせれば「台湾は中国の一部」ということなのだが、中華人民共和国建国後の56年間、台湾が支配下に入ったことは一秒たりともない。にもかかわらず台湾が中国の一部というのは単なる虚構に過ぎない。確かに、支配権が及んでいなくても領有権を主張するという例は世界中に数え切れないほどある。日本はロシアが実効支配する北方領土を日本領と主張し、アイルランドはイギリスが実効支配する北アイルランドをアイルランド領と主張し、ベネズエラは隣接したガイアナ協同共和国の半分以上の領土を自国領と主張している。だがこれら世界中に存在する領土問題は、何らかの外国の支配下に入っている状態であり、それを本来ならば自国の領土であると主張しているのである。
現在台湾はいかなる諸外国の支配も受けていない。誰が見ても台湾は独立している。だが中国人は台湾は国家ではないという。一体全体この世界中でいかなる国家からの支配も受けていない地域など存在するのだろうか。グリーンランドはデンマーク領、ガラパゴス諸島はエクアドル領、イースター島はチリ領、沖の鳥島は日本領である。このように、たとえ無人島であれ、ちっぽけな岩であれ、世界中の海から顔を出している島、もしくは岩は何らかの国家の管理下に置かれている。必然的にいかなる国家の支配も受けていない台湾は独立国家といえる。
実は私が知っている限り、世界中にいかなる国家の支配も受けていない地域が一箇所ある。しかも台湾や日本よりも桁違いに巨大な面積をほこっている大陸である。すぐにきづいた方もいらっしゃると思うが、その大陸とは南極である。南極はかつて7カ国が領有権を主張したことがあったが、1961年に南極条約が発効し、南極の領有権は半永久的に凍結することになった。台湾が国家ではないという人は、台湾は南極と同等の地位の島であると主張していることになる。確かに南極には人が住んでいる。昭和基地では野菜も栽培されているし、腕のいいコックがおいしい料理を提供している。アルゼンチン人が南極で出産した例もある。出産したということは医療施設も整えているはずだ。だからといって12000箇所の寺廟、世界最高層のビル、総延長千キロ以上の鉄道、首長選挙や議会選挙地方選挙が頻繁に行われる民主主義、年間300万人の観光客など、様々な奥深さをかかえる台湾を南極と同等に見ることには無理がある。台湾が国家ではないという理論は成立し得ないのだ。
それでも中国人は、たとえ現時点で中国の支配権が及んでいなくても、台湾が事実上独立した行政体として機能していても、台湾は中国の一部分であると主張してはばからない。彼らに言わせればそれなりの根拠があるようだ。これについては次回に譲りたい。

 

     


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