李登輝友の会神奈川講演会リポート

 

 7月31日、横浜で日本李登輝友の会主催による、田久保忠衛氏と林建良氏の講演会が開かれると言うことで私は参加することにした。私はこの手の講演会に出席するのは初めてのことである。
場所はJR根岸線石川町駅から徒歩5分程度のかながわ労働プラザ3階の多目的ホール。石川町駅といえば、すぐ近くに横浜市民で知らない人はいない中華街や元町をかかえる横浜中心部の一角である。実はこの労働プラザは中華街とは反対方向の寿町というところにあり、ここは知る人ぞ知る日雇い労働者の町。労働プラザの目の前はごく普通の道なのだが、一つ隣の道に入ると雰囲気が急に変わり、その日暮らしの半ホームレスみたいな人がうろうろしているところだ。まあ話がそれるのでこのくらいにしておこう。
 講演会は午後2時に日本李登輝友の会会長の小田村四郎氏による挨拶からはじまり、午後2時10分からいよいよ田久保忠衛氏による講演が始まった。テーマは「日本における台湾の重要性〜安全保障から見た日台関係」である。田久保氏は主にアメリカの国際戦略について話をされ、それに日本、台湾がどのように関わっていくべきかを述べられた。約十五分の質疑応答と、約十五分の休憩の後、3時25分から林建良先生の講演が始まった。
では以下に、林建良氏の講演内容を要約することにしよう。
 林建良氏の講演テーマは「台湾から見た日台関係の重要性〜台湾の現状と将来」というもの。まず、日本人の多くは台湾は漢民族の国家と誤解しているが、実際には台湾人の多くは林建良氏自身も含めてマレー系の原住民の子孫であるということを強調することから話は始まった。原住民は百年ほど前まで首狩の習慣があったらしく、「台湾に行くときは皆さんぜひ気をつけてください」というユーモアも交えるあたり、林建良さんらしい。
 台湾人が日本を見る目というのは大きく三つに分かれるという。一つ目は戦前世代、つまり日本統治時代を経験した世代によるもの。彼らの日本に対する眼差しは概して暖かいものである。二つ目は戦後世代。この世代は国民党政権による反日教育を受けている。その一方で、家庭では日本時代を知っている両親から真実を教わるし、現代の日本の大衆文化に対する憧れも強く、概ね日本に対して好意的となる。三つ目は1949年以降に中国から渡ってきた人たち、いわゆる外省人。彼らの日本観は中国とほぼ同じであるという。
 とはいえ、この三つの対日観はいずれも現在の真実の日本を見ているとは限らない。例えば、戦前世代の台湾人が知っているのは文字通り戦前の日本人であり、今の日本人は大きく変わってしまっている。戦後世代の若者は音楽や映画などの日本の大衆文化に熱中しているが、日本文化はそういった大衆文化に留まらない奥深さを兼ね備えているはずである。極端な例だが、日本のAV女優が台湾で商品のイメージキャラクターとして宣伝に利用されることがよくあるという。それに台湾の男性の多くが注目するが、へたすると日本文化は下品で低俗だとの印象を持たれてしまう。
ところで、現在の日台両国はいくつかの部分が非常に良く似ているという。
 一つ目は、日台両国共に内なる敵を抱えていることである。日本国内には日本人でありながら日本を嫌い、日本を貶めようとする勢力が跋扈している。台湾にも台湾を愛せず、台湾を貶めようとする売国奴が社会を牛耳っている。二つ目の共通点としては、国家としての目標や気概を失っていると言うことが挙げられる。日本人も台湾人も、個人の自由が全てに優先し、国家の将来などどうでもいいと考えている人が非常に多い。三つ目は対米依存傾向。日台両国とも自主的な外交政策が遂行できず、アメリカ頼みである。特に外交関係樹立国が少ない台湾の場合その傾向が顕著なようだ。四つ目の共通点は中国恐怖症。日本の政治家は常に中国の顔色をうかがってばかりで台湾人をどれほど失望させてきたことであろうか。台湾も中国の恫喝外交に翻弄され、なかなか新国家建設が進まない。
 わが国日本、および台湾はこれから先どのような道を歩むべきだろうか。残念ながら今の日本の若者は自分の利益のことばかり考え国家のことを考える人が少ない。今回の講演会に参加した聴衆も大半が60歳を過ぎた高齢の方々であった。
 さらに、日台両国には中国と言う大国が立ちはだかり、日台の進むべき道を阻んでいる。特に台湾は常に危機と隣り合わせの状態である。福建省に750発のミサイルが配備され、台湾を侵略すべく、中国政府は準備をしている。しかも今年3月に中国で「反国家分裂法」なる法律が制定されたのは記憶に新しい。外国に侵略することに法的根拠を与えるなどという、まさに法治が存在しない国だからできることであろう。
 林建良氏が日本に期待していること、それは日本が強くなることである。残念ながら現在の日本は中国の属国のような状態である。日本の公文書で陳総統のことを述べるときは「」をつけて陳「総統」となる。総統のことを正式な総統とは認めていないのである。諸外国の多くの政府が台湾を認めていないとはいえ、総統に「」をつけるのは世界広しといえども中国と日本だけのようだ。台湾人が所有する外国人登録証の国籍欄を「中国」としているのもやはり中国と日本だけである。
 しかしそれでも林建良氏は日本を愛し、日本に期待をしてくれている。いや、林氏だけでなく、台湾人の多くは今でも日本に好印象を持ってくれている。やはりこれには日本も台湾も共に海洋国家としての寛容さが備わっているからだ。大陸国家中国とは根本的に異なっているのである。
 また、かつて日本統治時代に、日本人は台湾に一流の人材を送って台湾の近代化に貢献し、さらには法治の観念、時間の観念、清潔さの観念などを教授した。林建良氏によれば、日本は台湾の先生のような存在であり、台湾は日本の弟子のような存在であったと言う。
 昨今の日本の若者を見ていると、なんだか腐り果てているかのように感じることもある。しかし、日本人は実はそう簡単には腐らない。一見腐り果てたような若者たちも、やはり責任感、秩序、マナーなどがしっかりしていると言う。日本は再び台湾の先生になれる能力がある。台湾が台湾国を建国するためにも、日本の力は無視できない。日本がもっと強い国家となり、中国と対等に付き合える普通の国家となれば台湾にとっては大きな助けとなるはずである。
 林建良氏は日本のことをいろいろ賞賛していたが、もちろん彼は台湾人であり、日本人になりたいと思っているわけではない。林氏はいかなる困難があっても新しい国家を建設すると固く誓っている。そして台湾を立派な国にするために日々奮闘し、精力的に働いている。
 日台両国はお互いに協力し合って、中国と対抗すべきである。少なくとも台湾の独立を守るべきである。

 

 林建良氏の話を要約すると大体このような感じである。質疑応答が終了した後の聴衆の熱気、そして盛大な拍手。きっと林氏は多くの聴衆の心をつかんだに違いない。
 今回は約200人収容の会場がほぼ満席状態であった。200人というに講演会を行ったところで、所詮その影響力はテレビに到底及ばないはずである。しかし民主主義国家ではこういった地道な活動を続けていくことが非常に重要だ。200人は200人であり、それ以上でもそれ以下でもない。少なくとも今回林建良氏の講演を聞いた200人の人々は大いに触発され、自分も台湾のために協力したいと思うようになったかもしれない。私は日本人台湾独立促進会のサイトを運営しているが、影響力などまだまだ微々たる物である。私ももっともっと刻苦奮闘し、台湾のために貢献していきたいと思う

 

     


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