宮本将英、台湾団結連盟に入党 

8月1日の午前11時半ごろ、私は最寄りの郵便局で年会費千円を支払った。30秒もかからないような単純な手続きだった。私が台湾第四の政党である台湾団結連盟の党員になった瞬間だった。
 ちょっと前まで、私が何らかの政党の党員になるなど考えもしないことであった。選挙の時には一応自民党に入れることが多いのだが、はっきり言って本当に支持できる政党なんて一つもありゃしない。維新政党・新風は考え方が非常に近い政党だが、どうも名前がぱっとしない。また、普通に考えたら外国の政党への入党などはじめから不可能と私は決め付けていた。
 ところが、数ヶ月前に「台湾の声」で台湾団結連盟(以後、「台連」と略す)の党員を募集しており、国籍不問と書いてあるではないか。しかも年会費はわずか千円。というわけで、私は入党を決意し、実際に党員になってしまったのである。
 台連がどのような政党であるかは、このページをご覧の皆様はだいたいご存知だと思うが、今まで台湾の政治についてあまりご存じなかった方で、いきなりこのページにたどり着いてしまった方のために念のためごく簡単に説明しておこう。台連は台湾で4番目の規模を持つ政党である。立法議会(国会)、地方議会などでは概ね民進党、国民党、親民党に次ぐ四番手の位置にある。ただし、台北市議会では議席数ゼロで、今や消滅寸前の新党(台北市議会では5議席)にさえも大きく遅れをとっている。その一方で、高雄市議会と、5月に行われた国民代表大会選挙では3番手に位置している。また、いわゆる独立派の政党では民進党に次ぐ二番手である。
 台連日本支部は今年(2005年)4月の蘇進強主席来日時に設立された。すでに4ヶ月が経過している。今までにどのような活動をし、これからどのような活動方針と展望があるのかという点について述べたいのだが、残念ながらあまり述べることがないのが現状である。日本支部のスタッフの話としては、「日本李登輝友の会」がどちらかというと文化交流に力を入れる傾向があるのに対し、台連としては同じようなことをするのではなく、独自色を強めていく方針とのことであった。
 率直に言って現在のところ台連日本支部はあまり機能していない状態と言っていいかもしれない。主な問題点としてはまず人員不足が挙げられる。誤解しないでほしいが人材不足ではない。要するに人手不足である。日本国内には台湾独立建国連盟日本本部、在日台湾同郷会、日本李登輝友の会、台湾研究フォーラムなどの組織があるが、主要幹部は複数の団体を兼務する傾向がある。では台連日本支部の幹部と兼務している役職を見てみよう。

名誉代表   柚原正敬 日本李登輝友の会常務理事、台湾研究フォーラム顧問、
代表     林 建良 在日台湾同郷会顧問、世界台湾同郷会副会長、「台湾の声」編集長、日本李登輝友の会常務理事、台湾研究フォーラム顧問、本職は医師
幹事長    片木裕一 日本李登輝友の会理事、台湾研究フォーラム役員
副幹事長   薛 格芳 在日台湾同郷会常務理事 日本李登輝友の会理事
関西支部代表 高 輝陽 在日台湾同郷会理事

以上見てわかるように、台連内で役職がある人はほかの団体でも役職があり、多忙であろうことは容易に想像がつく。ここ数年の傾向としては、2002年に発足した李登輝友の会の常務理事や理事にそうそうたるメンバーが名を連ねており、在日台湾同郷会の主要メンバーもどちらかというと友の会の活動のほうに力を入れているのが現状のようだ。要するに台連日本支部の問題点としては人手不足の一言に尽きると思う。そのほかの問題としては資金不足(詳しい財務状況は不明)、方針が定まらないことなどもあるだろう。
 それでは台湾団結連盟日本支部としての、今後の課題を述べてみよう。ただしこれは私が自分のサイトで勝手に独断で考えたものである。
 方針としては日本李登輝友の会とは異なる独自色を出すのであれば、やはり政治色を強めることであろう。別に文化交流イベントをやってはいけないというわけではないが、政党である以上、政治活動がメインであるべきだ。
 具体的にはまずサイトを充実させること。特に台連の台湾国内での活動状況を詳しく述べるべきである。まずは立法委員や地方議員を紹介する。また、彼らの講演や海外訪問、その他の活動について日本語版のサイトで詳しく紹介したほうがいいであろう。さらにドメインを取得すべきだ。台湾研究フォーラムのサイトと同じサーバーでは政党のサイトとしてふさわしくない。ただし、サーバーを台湾に置くべきではない。なぜならサーバーを台湾に置くと中国からアクセスできなくなるからだ。在中日本人で台湾や台連に興味を持った人たちに情報発信ができなくなる。
 それから日本国内におけるネットワーク作りである。国民党は日台断行以後も自民党と強いパイプを持ち続けてきた。民進党も政権獲得後、徐々に自民党や民進党とのパイプが強くなってきている。台連も日本の政治家との人脈を作れればそれに越したことはない。国会議員が難しければ地方議員でもいい。大学教授などもいいだろう。私が提案したいのは、チベットや東トルキスタン、法輪功などの団体との連携である。これらはいずれも反中国共産党であり、日本に支部を設置しており、連携できれば大きな力となるはずだ。例えば台湾に関するデモをやるときはチベットやその他の団体にも参加していただき、チベットに関するデモが行われるときは台連日本支部のメンバーも参加するなどができるはずだ。お互いに可能な限り情報交換を行い、互いにサイトなどで紹介しあうこともお互いの発展と利益につながるはずだ。
 また、台連日本支部として独自色を出すためには中国共産党に反対する活動をすることも必要ではなかろうか。残念ながら具体的には思いつかないのだが、我々の最終目標である台湾共和国建国のためには中国共産党という恐怖独裁ファシスト組織を打倒しなければ実現は難しい。
 ここまで日本支部の今後の展望を述べた。最後に台湾国内における台連の目標と展望を述べることとしたい。もちろんこんなことは私が考える必要はないのだが、個人サイト上における自己満足発言と思っていただきたい。近年、台湾は民進党と国民党の二大政党制になりつつあると言われているが、国内問題で与野党が激しく争うのは正常な民主主義国家の姿であるが、外交問題で二大政党が正反対の主張で争うのは国家全体にとって不幸な構図である。外交問題は国家一丸となってとりくむのが望ましいはずだ。民進党に対抗する二大政党の一角を構成するのは国民党ではなく、台連であることが望ましい。今のところ台連は親民党を抜いて三番手の政党となるかどうかという段階であるが、もちろんこれでは不十分だ。台連は国民党を抜いて台湾第二の政党となり、民進党と争うべきである。もちろん政権獲得までこぎつければ一番いいのだが、とりあえず現段階ではそこまでは考えられない。
 当面の重要課題は年末の地方選挙である。07年の立法議会選挙では小選挙区比例代表並立制となるため、台連には苦戦が予想される。存亡の危機といっては大げさだと思うが、07年には台連は4議席に激減するとの予測もあり、苦しい状況であることは間違いない。台連が存在感を増していくためには当面の地方議会での躍進が絶対条件である。特に今回は民進党との選挙協力により、県市長選挙にも数箇所で候補者を擁立する。基隆市以外は勝ち目がないところばかりだが、勝敗よりもどれだけの得票率を稼げるかに注目したい。
 来年末の台北・高雄市議会選挙も重要だ。高雄市議会で台連はすでに親民党を抜いて三番手となっている。国民党を抜くのはまだ難しいだろうが、少しでも距離を縮めてもらいたい。台北市議会では残念ながら議席ゼロで新党にさえも大きく下回っている。台北市議会では新党を上回ることが絶対条件といえよう。また、首長選挙ではなるべく民進党と争わないほうがいい。同じ県市長の選挙で民進党と台連がそれぞれ候補者を擁立することは利敵行為になってしまう。
 また08年の総統選挙では総統候補を民進党から、副総統候補を台連から擁立するのが望ましいと考えている。民進党がそこまで妥協させるのは難しいと思うが、今後の地方議会で台連が存在感を増せば、民進党も折れてくるようになるであろう。2012年には台連が独自に総統候補を選出させるのが望ましいオ私は考えている。
 何だか随分偉そうなことを言ってしまった。一応私も党員となった以上は、党の発展を真剣に考えていきたいと思う。しかし我々の最終目標は台湾共和国の建国であることを忘れてはならない。日本や世界の多くの国を眺めると、国家のために働いているのかそれとも国家に反して所属政党のために働いているのか良くわからないような政治家が多い。私はあくまでも台湾や日本の国益につながる活動をしたいと思っている。

 

     


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