阮美スさんが来日、台湾資料センターで講演会

 

 阮美スさんの二二八事件についての著書が日本で翻訳出版されたことを機会に阮美スさんが来日され、2月18日、台湾資料センターで行われた第63回新日台交流の会で阮美スさんの講演会が行われることになった。

台湾資料センター

 私が台湾資料センターに行くのは2回目であるが、当サイトで紹介するのは初めてである。昨年8月に訪れたときは台湾映画研究会で、20人ほどの人が訪れていた。さて今回は、私が横浜方面から京浜東北線で北上する際、途中人身事故があった影響で電車が遅れてしまい、3時半開始のところ、10分程度遅れて到着した。台湾資料センターの3階に入ると、何と狭い会議室内に60人位の聴衆が詰め掛けていてもう超満員の状態。私は入口附近の折りたたみ椅子に座った。

 阮美スさんは1928年台湾屏東県生まれ、台北州立第三高等女学校卒業。1947年に結婚して間もなく、二二八事件で父・阮朝日氏が拉致される。それから阮美スさんは音楽講師やドライフラワーの講師を務めながら、二二八事件に関する資料収集や、事件の真相を究明に努め、父の消息

台湾資料センターの内部(1階)

を探し続けた。事件から約50年が経過した1997年、阮朝日は銃殺され、捨てられたことを突き止める。
 1947年に中国国民党軍が台湾人を大量虐殺し、台湾全島を恐怖に陥れたこの二二八事件については今では台湾の郷土史の教科書『認識台湾』にも簡単に記述されたりしているものの、台湾における認知度は必ずしも高くない。しかも国民党系メディアが優勢な台湾では、二二八事件とは台湾民衆による反乱・暴力事件などと宣伝する学者、言論人がいまだに少なくないという。そこで阮美スさんはテレビ、ラジオ、出版物、講演会など様々な方法を通して二二八事件の真相を広め、更なる真相究明を訴える活動を精力的に続けている。
 さらに、18歳まで日本人としての教育を受けた阮美スさんは、一人でも多くの日本人に事件の真相を

狭い室内に60人が訪れたので超満員のキツキツの状態に。

知ってもらいたいと考え、2006年2月、二冊の著書が日本で出版されるに至った。台湾でさえも真相があまり認知されていないこの事件について、「台湾の声」の読者であればその概要ぐらいは知っている方も多いとは思うが、世間一般での知名度は極めて低いのが現実であろう。日本人の場合、二二六事件と勘違いしたり、日本人が台湾人を虐殺した事件と誤認したりするひともいるぐらいである。 
 阮美スさんは今回の講演で、二二八事件で数多くの人々が犠牲になったこと、この50年間ずっと父を探し続けたこと、台湾では国民党系のメディア・学者があまりにも強く、いまだに間違った情報が流布され続けていること、今回の出版に至った経緯などを約1時間にわたって語っていた。阮美スさんの日本語は日本人と全く遜色がないほど完璧で、しかも79歳とは思えないほど若々しく、話し方もはきはきしていた。60人の聴衆には、年配の方が多いものの、二十代の女性も中にはおり、阮美スさんの精力的な話し方に皆心を奪われているようであった。

年齢を全く感じさせない精力的な講演を続ける阮美スさん。

休憩時間には著書が飛ぶように売れていた。この手の講演会では受付のところに何種類かの書籍が販売されるのは普通のことだが、これほど次から次へと本が売れていく光景を私は初めて見た。本を購入した人は阮美スさんにサインを求め、窮屈な室内に行列ができていた。

 今回日本で出版された2冊とは、『漫画 台湾二二八事件』と『台湾二二八の真実―消えた父を探して』である。私ももちろん2冊とも購入し、マンガのほうはその日のうちに読破した。二二八事件についてはネットや書籍でもその概要を知ることは可能だが、詳細が述べられたものは極めて少ない。
 あの大量虐殺を起こした中国国民党は1995年に謝罪の言葉を残しているが、実際に謝罪したのは本来ならば被害者の立場であるはずの李登輝氏である。たまたま李登輝氏がその時、中華民国総統で中国国民党主席であったので、自らの決断で謝罪に踏み切ったわけだが、外省人の口から謝罪や反省の言葉が語られることはほとんどない。その国民党は今でも国会の最大野党として君臨し、陳水扁政権には反対のための反対を繰り返して政権運営を妨害し、中国共産党に寄り添って台湾を売り渡そうとしている。

休憩時間に著書にサインをする阮美スさん

このような状況下で、ぜひ日本の皆様にはこの2冊を購入していただいて、事件の真相を知ってほしいと私は思う。人によっては二冊合計で3360円も払うのは金銭的にきついという人、毎日仕事が忙しくて寝る暇さえもないのに読書なんかする暇はない、そもそも活字は苦手というかたもいらっしゃるかもしれない。そういう方にはマンガだけでもいいと思う。漫画は税込みで1260円、だいたい2時間もあれば読めるから多忙な方でも読破できるはずである。また、阮美スさんは二二八事件のマンガの第二段を発表したいと考えているものの、そのためにはすでに発売された漫画が売れることが絶対条件のようだ。百聞は一見に如かずということわざが示すように、マンガの情報量は膨大である。しかもこのマンガは台湾各地で起こった個々の事件について述べられており、事件の真相を理解するのに極めて有用である。
 私は単純に自分の良心に基づいてこれら二冊の本を薦めているのであり、まどか出版から頼まれたわけでもなければ広告料など一切もらっていない。ただ台湾のために、少しでも役に立ちたいと思って進めているだけである。
 一人の力は微々たる物だが、みんなで力をあわせれば必ず大きな力になると思う。みんな、それぞれ仕事、学業、趣味のために忙しいはずだ。それでも、一人一人がわずかな時間、資金、労力を台湾のために捧げてくだされば、きっと大きな力になると私は信じている。

 

漫画台湾二二八事件』 

台湾二二八の真実―消えた父を探して

まどか出版

 

 

     

 

 

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