李登輝友の会神奈川支部講演会

 10月21日、神奈川県横浜市中区で、李登輝友の会神奈川支部と高座日台交流の会の共催による講演会が開催された。会場となった神奈川県民ホールは、石川町駅を下車して中華街を通り抜けて徒歩15分ほど。道路の向こう側には山下講演があり、東京湾を一望できる。2004年に地下鉄みなとみらい線が開通し、交通アクセスも便利となった。

会場に到着した許世楷大使。 ソファーにくつろいで順番を待つ許世楷大使(右側)

 午後1時半、李登輝友の会神奈川支部事務局長の佐藤氏の司会により講演会が始まった。神奈川支部支部長

石川公弘李登輝友の会神奈川支部長

の石川公弘氏が開会の言葉を述べ、中国共産党による法輪功学習者の臓器摘出問題をとりあげた。この問題に関しアメリカ、カナダ、イギリスの国会議員やマスコミは積極的に取り上げており、普段与野党の対立が激しい台湾でもこの問題では民進党と国民党が意見を一致している。にも関わらず、日本のマスコミは一切取り上げようとしないことから、石川氏は日本マスコミに対する不信感をあらわにした。
 続いて許世楷駐日台湾大使の講演が始まった。演題は「日台関係の現状と展望」。以下に許世楷氏の講演内容を要約する。
 1972年に日本と台湾は外交関係を断交したものの、両国間の交流はむしろ深まっている。2年前に李登輝氏が来日したときも日台関係は今が最良の状態と述べているし、陳水扁総統も最近30年間で日台関係は今が一番良好であると述べている。台湾人の対日好感度も上昇し、今年5月に台湾誌『グローバルビュー』が行ったアンケート調査でも、「尊敬する国」「旅行に行きたい国」「移民したい国」の三項目で日本が堂々の1位となっている。2005年2月には日米間の2プラス2会談(両国の国防相と外務相の会談)で台湾海峡を共通の戦略目標としたことも記憶に新しい。

約150人が集まった神奈川県民ホール6階大会議室

 そして何より注目すべきは日台両国間の観光客が年々増加していることだ。2005年には台湾人の日本向け観光ビザ免除の恒久化が決定された。今や台湾からの年間訪日旅行者数は128万人、日本からの年間訪台旅行者数は112万人である。しかも台湾人の訪日旅行は実に多様化している。以前であれば東京→大阪→京都などに限定されていたが、現在では北海道、秋田、盛岡、金沢、鳥取などなど日本各地あらゆるところに台湾人が訪れている。ネットの普及による日本に関する情報収集が容易になったこともあり、台湾の若者は、東京から日帰りで軽井沢を訪れ、夕方には戻ってきて夜にはお台場に行くというハードスケジュールをこなすものもいるという。
 さて、台湾と日本はともに民主主義国家であり、共通の社会的価値観を持っている。それに対し、中国とはいまだに中国共産党一党独裁国家である。インターネットの世論調査によると中国人の69%は来世で生まれ変わるとしたら中国に生まれたくないと考えているという。やはり共産党独裁国家では幸福な生活、人間らしい生活を追及できないというのだ。民主化運動は徹底的に弾圧され、年間10万件の農村暴動が発生し、キリスト教なども過酷な弾圧を受けている。
 台湾ではちょうど施明徳を中心に陳総統退陣を求めるデモが行われている。彼らは自分たちを1989年に天安

本日の主役、許世楷大使。

門広場で民主化運動を行った学生たちになぞらえたという。しかし米国在住の中国民主活動家王丹氏は冷淡だった。天安門広場での民衆化運動は、中国共産党という凶悪独裁政権に対するものだ。だが台湾は民主主義国家であり、国民の直接選挙によって総統が選出される制度が整っている。命がけで戦ってきた王丹氏から見れば、施明徳と一緒にされることは迷惑であり、侮辱である。
 台湾は成熟した民主主義国家となり、大いに自信を持てるレベルにある。つい最近タイのタークシン首相が訪英中に軍事クーデターが発生したが、台湾では陳総統が南太平洋諸国を外遊中にもそのような事態は発生し得ない。施明徳が行っているデモにしたって死者は一人も出ていない。負傷者もかすり傷程度しか出ていないという。日本人は、台湾は価値観を共有する国であり、中国や北朝鮮は価値観が根本的に異なる国であることを理解すべきであろう。
 その後質疑応答で約4人の方が質問した。そのうち二人の方の質問を紹介しよう。

許世楷大使に質問する大紀元記者。

 まずは大紀元の日本人記者が、台湾のバイクのナンバープレートに「台湾省」と記載されていることを挙げ、いくら台湾が国際社会への復帰を望んでいても、台湾国内の問題があまりにも大きく、日本人としても支持するのが難しい、ナンバープレートにはしっかりと「台湾国」と記入すべきではないか、と強い口調で述べていた(厳密に言えばナンバープレートには国名を記載するのではなく、桃園県、新竹県などの地域名を記載すべきであろう)。私個人が特に印象的だったのは、大紀元の記者が「我々右派の日本人にとっては・・・」と述べていたことである。大紀元日本語版が保守よりの記事が多いことは読めばわかることだが、基本的に中国人主体の新聞で、記者自らが「右派」を自称しているのは意外であった。
 許世楷大使は、確かに台湾の現状はまどろっこしいところがあるが、中正国際空港が台湾桃園国際空港に改称されたこと、今まで数十回に渡って議題にも取り上げられなかった武器購入予算案がついに立法院で取り上げられることになったこと、来年からは中華民国ではなく、台湾の名称で国連加盟申請を行うことなどを挙げ、プラグマティックな変化が徐々に進んでいるkとを強調した
 続いて、台北駐在経験のある東京新聞の記者が、馬英九にインタビューしたときの体験を述べ、馬英九はは我々と相当考え方が違う、2008年に国民党政権が誕生したら、台湾化路線は変化するのかどうかを質問した。
 これに対し許世楷大使は、世論調査では現状維持が圧倒的に多く、その中身は多様であるが、ほとんどの台湾人は現状では中国との統一を望んでいないことは明らかである。民進党も国民党も表向きは現状維持路線をとらざるを得ない。民進党は中国とは距離をおくことによって現状を維持できると主張している。馬英九は中国と平和協定を結ぶことによって現状を維持すると主張しているが、今や野党だからこそ連戦などの国民党幹部は比較的自由に中国を訪問できるが、与党ともなれば現状を維持するために、今以上の対中接近はとりにくくなるであろうとの見方を示した。
 最後に高座日台交流の会の佐野会長の閉会の挨拶によって講演会は終了した。
 神奈川県は東京に次ぐ約200人の李登輝友の会会員を抱える。講演会が東京に一極集中しがちな中で、都心に近いとは言え、神奈川県で開催されたイベントで駐日大使が講演をし、約150人が集まったことは大きな意義があるといえよう。来月には李登輝友の会愛知県支部が林建良氏の講演会を予定している。東京での台湾関連イベントを今までどおり、いや今まで以上にたくさん行うと同時に、東京以外の地方でも台湾関連のイベントが多数行われて日台交流の輪が全国隅々にまで拡大していくことを望んでいる。

 
     

 

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