2006年から2007年へむけて

 我々日本で活動する親台湾派にとって、2006年の台湾情勢は肩透かしを喰らうことの多い一年であった。李登輝氏の訪日は二度に渡って延期となり、次回の訪日は未定である。台湾新幹線も延期を繰り返した。台湾の政治情勢は5月以降、ひたすら陳水扁総統を引き摺り下ろす運動が続いた。陳総統の娘婿には有罪判決がくだされ、夫人も起訴されている。このような逆風の中で行われた年末の市長選挙では、台北市で民進党の謝長廷が4年前よりも得票率を伸ばし、高雄市では民進党の陳菊が僅差で勝利を収めるなど、何とかぎりぎりで緑陣営が踏ん張ってとりあえず一安心と言ったところであろうか。
 その一方で、日本国内では親台派は比較的堅調な発展を見せた一年であった。日本李登輝友の会

李登輝友の会神奈川支部設立大会(2006年2月19日)

は2月19日に神奈川、3月14日に福島、6月3日に愛知、6月11日に青森、8月3日に宮城、9月9日に千葉でそれぞれ支部が開設され、これで東京本部のほかに14の都道府県で支部が開設されたことになる。そのほかにも秋田、茨城、岐阜、石川、福井、京都、兵庫、山口で設立へ向けて準備中である。そのほかにも八王子市と高雄市の姉妹都市協定締結、森前総理の訪台、青森日台交流会設立、現職の国会議員である大江康弘氏の講演会開催、台湾で発行された国際運転免許証の承認が2008年に実現することが決まるなど、日台関係は大きく前進している。
 2005年から2006年にかけては、ある意味では台湾情勢はそれほど世界中から注目されるような年ではなかったと言える。だが2007年に突入し、台湾は再び重要な局面を迎えようとしている。1月5日には延期に延期を重ねた台湾新幹線がようやく開業することになっている。1月16日には高雄市も立候補している2011年のユニバーシアード開催地が決定する。なんといっても注目すべきは12月には予定されている立法委員選挙である。与野党の差がそれほど極端ではない地方議会とは違い、国政レベルでは緑陣営と青陣営は政策も国家観も真っ向から対立している。この選挙の重要性は地方選挙の比ではない。さらに立法院選挙の余韻も覚めやらぬまま、2008年3月には総統選挙が予定されている。今後の台湾情勢は日本、中国、アメリカ、さらには全世界にとって無視できない重要性を帯びてくることであろう。
 我々日本国内の親台派も、ただ指を加えるだけでなく、本格的な行動を起こし、成果を勝ち取る一年にしたいものである。とはいっても日本国内で我々がどんなにがんばったところで、台湾国内の選挙に何らかの影響力を及ぼすことはあまり期待でできない。我々はできることを確実にやっていくべきである。具体的には国会議員で構成される日本台湾安保経済研究会の目標があげられる。すなわち、
台湾人の観光ビザ免除恒久化
台湾人の外国人登録証の国籍記載欄を中国から台湾に変更する
台湾が中華人民共和国の一部分とされてしまっている世界地図の変更
李登輝氏の訪日実現
台湾で発行された国際運転免許証の承認 
の5つである。台湾人の観光ビザ免除恒久化はすでに実現し、台湾で発行された国際運転免許証の承認も実現のめどが立っている。残る目標は三つである。
 李登輝氏に訪日は2004年12月に実現したが、これについては一回できればいいというものではない。今年中に李登輝氏の再訪日を何が何でも実現させるべきだ。そして李登輝先生にはぜひとも靖国神社へ参拝していただきたいし、念願の奥の細道訪問も実現してほしい。
 世界地図の変更と外登証問題は全く未解決のままである。在日台湾人は長年にわたって外国人登録証の国籍記載欄が中国にされるという屈辱を味わってきた。今年こそ我々が一致団結して在日台湾人の権利向上に務めるべきである。
 さらに今年は台湾派の活動をより広く深い方向へと発展させていくべきである。まずは何と言っても地方への拡大が挙げられる。首都圏では毎週のように台湾関係の講演会が開催されているが、東京、神奈川、千葉、埼玉以外に在住の方にとって講演会に参加する機会はあまり多くない。李登輝友の会の支部をもっともっと増やして、全国どこに住んでいても親台派の活動に参加できる機会を広げていく必要がある。ただ開催するだけでなく、参加人数も重要である。台湾関係の講演会の参加人数は平均的な場合は百数十人程度、どんなに多くても300人ぐらいがやっとである。当然ながら多ければ多いほど好ましい。できれば500人ぐらい集めたいものである。

 また、講演会以外の活動にも積極的に取り組みたい。講演会はある意味地味な活動であり、なかなか若い世代が参加しない。では20代、30代の若者を集めるにはどうするべきか。私が提案したいのはデモ行進である。日本国内での台湾正名デモは過去4回行われたが、2005年2月以降2年近く行われていない。今年の2月にはぜひ台湾正名デモをやりたいものだ。大紀元の中共脱党応援パレードのように毎月できればいいのだが、今の台湾派にそれほどの動員力はないと思う。そこで私が提案したいのはとりあえず季節ごとに3ヶ月に1回行うこと。これならば毎回200人ほどの参加者を集めることは充分に可能である。2月に正名デモをやって、4月には第3回反中共デモ(過去2回は反中国デモと名づけられていたが、私は反中共とすべきではないかと思う)、さらに夏と秋に行うと良いと思う。今年は馬英九の再訪日や、中国の首脳(おそらく温家宝)の訪日も予想されるので、それにあわせて反対デモを行うのもいいかもしれない。

 1月27日に青森でDVD鑑賞会の開催が予定されている。今までの台湾派にはなかったタイプのイベントであり、全国各地で開催されるのが望ましい。昨年12月から毎週日曜日に靖国神社で台湾正名を求める署名活動が行われている。このような地道な努力の積み重ねは極めて重要だ。イベントへの参加者を開拓するのにも効果的だと思う。

 このように実現可能な目標を定め、その目標実現のためにしっかり行動していくことが重要である。

靖国神社で行われた台湾正名を求める署名活動。(2006年12月3日)

 
     


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