「生命線・台湾を守れ!」国民決起集会参加レポート

 2007年2月3日、生命線である台湾の防衛を目的とした国民決起集会が文京区民センターで開催された。今月は台湾研究フォーラムの定例会は開催されず、台湾研究フォーラム、維新政党新風東京都本部、主権回復を目指す会、日台交流同友会、政経調査会、MASUKI情報デスク、靖國会、台湾出身戦歿者慰霊の会、日本世論の会、維新政党新風埼玉県本部、正論の会、日本の領土を守る会などが主催団体となり、我が国の保守系団体を総動員した歴史的なイベントとなった。壇上で講演、挨拶をした人も多数に上り、非常に中身の濃い内容であったが、読者を疲れさせないようになるべく要約して紹介することとしたい。
 私は手伝いのために午後5時に会場に到着。椅子を並べたり、配布資料のまとめを手伝ったりした。午後5時半から受付が始まり、午後5時40分に今回の講演者である西村慎吾氏が到着、その5分後にはもう一人の講演者である平松茂雄氏が到着した。

午後5時から集会の準備が始まりました。

 

会場に到着した西村慎吾氏
講演者の西村慎吾氏と平松茂雄氏

 午後6時、永山英樹台湾研究フォーラム会長の司会によって集会が始まった。全員起立して国歌斉唱の後、平松茂雄氏の講演が始まった。演題は「台湾は日本の生命線」 平松茂雄氏は中国軍事問題研究家であり、中国の軍事力拡大についての予測を次々と的中させたことから近年注目を集めている。以下に講演内容を要約する。

国歌斉唱
司会を務めた永山英樹氏

 50年代後半にかつての友好国であるソ連と袂をわかった中国は、独自の軍拡路線を歩みだした。毛沢東については、大躍進運動や文化大革命で中国に飢餓と大混乱をもたらした無能な独裁者というイメージもあるが、平松氏は毛沢東を天才的な戦略家と見なしている。毛沢東時代の中国は核兵器を開発し、人工衛星を打ち上げ、さらに長距離ミサイルまで開発した。文革以前も、文革中も、改革解放以後も中国の世界戦略は着々と進展してきたのだ。80年代に入ると中国は海洋国家としての派遣を目指し、90年代に南シナ海をほぼ影響下に押さえ、21世紀に入ると本格的に東シナ海への進出を始めた。中国の当面の目標は千島列島からフィリピンに至る第一列島戦の確保であり、そのためには台湾を自国領土として獲得することが絶対に必要である。
 日本の専門家は中国の軍事力を甘く見る傾向があるが、中国はすでにワシントン、ニューヨークに到達できるミサイルを保有しており、核兵器によってアメリカを抑制させるだけの力を持っているのだ。中国が台湾を侵略したとき、アメリカがどこまで手を差し伸べるかは全く不透明である。この10年間の中国の軍事面における進歩は非常に早かったし、これから10年はさらに加速することであろう。
 台湾が中国の軍門に下ってしまったら、日本はその生命線を完全に中国に押さえ込まれることになる。すると日本は何でも中国の言いなりになる事実上の朝貢国に成り下がってしまうことであろう。平松氏は予測を次々と的中させてきた。もちろんそれは学者としては望ましいことであるし、実際それによって平松氏は名声を得てきた。だが平松氏自身、今回の予測は外れてほしいと願っていると言う。では予測をはずすためにはどうすればいいのか。平松氏自身がさんざん指摘しているように、日本政府もマスコミも国民ももっと危機意識を持つべきなのだ。それすらできない現状では、本当に平松氏の予言どおりになってしまう可能性もある。

平松茂雄氏の講演 西村慎吾氏の講演

 続いて、衆議院議員の西村慎吾氏の講演が始まった。台湾の声読者の中ではおそらく知らないものはいないであろう、保守系議員の重鎮的存在である。
 歴史を学ばないものを再び同じ過ちを繰り返すことになる。日中友好というのは戦前から存在した思想である。だが日中友好によって一方的に利益を得たのは中国のほうだ。1920年代に蒋介石は南京で各国の大使館を襲撃する事件を起こしたことがある。米英などのヨーロッパ諸国はすかさず軍隊を派遣し、自国民の保護に努めた。だが我が国の幣原外相は理解、同情、肝要の精神を示し、無抵抗主義を貫いた。日中友好を望んでの決断だったはずだ。だがその結果、日本こそ最大のターゲットという認識を中国側に植えつけてしまい、その後も度重なる在留邦人への攻撃が行われたのが歴史的事実である。戦後の我が国が日中友好を推進したがゆえに我が国がどれほど不利益を被ってきたか、今更説明する必要もないであろう。日中友好など決して盲信してはならないのだ。
 特に現在の中国共産党独裁政権は、力の信奉者である。強い相手には従順だが、相手に力がないとわかれば好き勝手し放題である。日本はアメリカ、ASEAN、インドとの関係を重視し、連携を強化して中華思想から台湾を守らなければならない。そして我が国は歴史観を回復し、主権国家としての地位を回復しなければならないのである。
 敵は強大である。核兵器を持っている。我々は守るべきものを守らなければならない。そして西村慎吾氏が日本も核抑止力を持つべきだと主張したとき、会場から拍手が沸き起こった。

日本世論の会会長三輪和雄氏 東京都議会議員吉田康一郎氏 武蔵村山市市議会議員天目石要一郎氏

 両氏の講演が終わった後、錚々たるメンバーによる決意表明が行われた。まず日本世論の会会長の三輪和雄氏は、台湾は世界一の親日国であり、これを守らなければ男じゃない、女じゃない、人間じゃないと力強く主張した。そして日本と台湾を守り抜く上で、平成19年から20年にかけてが勝負の年であり、全力で戦う決意を表明した。
 民主党所属の東京都議会議員吉田康一郎氏は皆さんと共に誇りの持てる日本と台湾を築いていこうと述べた。
 武蔵村山市議会議員の天目石要一郎氏は、昨年市内の中学生向けの試験問題で、「日本が侵攻して植民地とし、現在では中華人民共和国の一部となっている島の名前を答えなさい」と出題され、その答えが「台湾」となっていた問題で、市議会で積極的に取り上げたエピソードを述べた。もう二度とこういうことはありませんとのことである

 
維新政党新風鈴木信行氏 日本の領土を考える会中村信一氏 政経調査会槇泰智氏  

 維新政党新風の鈴木信行代表は、日本の本当の危機は台湾海峡であり、台湾が中国に併呑されてしまえば、我が国の尖閣諸島のみならず、沖縄、九州、四国なども深刻な危機に晒される。国民を覚醒するためにも2月25日の街頭行動に参加するよう聴衆に訴えた。そして、アメリカに頼れなくても中朝と戦える国をつくりたいという目標を述べていた。
 日本の領土を考える会幹事の中村信一郎氏は、この2年間が日本の国運を決する重要な年であり、ともに頑張りましょうと訴えた。
 政経調査会代表の槇泰智氏は、もともと自身は日米安保条約を改称し、日本独自の防衛体制を築くべきと主張していたが、中国による台湾への武力強迫、尖閣諸島問題や、東シナ海のガス田問題を取り上げ、今は日米安保解消どころではなく、日本の生命線を守ることが重要であると述べた。さらに今年7月の中野区議会選挙に立候補する意思を表明した。
 21世紀研究所代表の増本和司氏は、誇りの持てる本物の日本を取り戻しましょうと訴えた。
 アジア安保フォーラムの宗像隆幸氏は、台湾は中華民国体制から独立すべきであり、中国人が作った中華民国憲法ではなく、台湾人自身による新憲法の制定が必要であり、これは民主主義の根幹であると述べた。

21世紀研究所増本和司氏
アジア安保フォーラム宗像隆幸氏
連根藤氏

 また、台湾人を代表して連根藤氏が壇上に立ち、日本の戦後はまだ終わっていない、日本と台湾の国交正常化が実現してこそ戦後は終わったと言えると述べた。さらに西村修平氏が2月25日のデモへの参加を呼びかけ、最後に維新政党新風埼玉県本部幹事長の渡辺昇氏が、決議文を読み上げた。
 こうして3時間の長丁場に及んだ国民決起集会が終了した。司会、講演、決意表明を含めて壇上に登った13人の方々からはいずれも日本と台湾を守るための並々ならぬ決意が感じられた。そして講演や決意表明に度重なる拍手で応えた200人以上の聴衆からも、同様の決意が感じられた。2007年から2008年にかけては、台湾立法委員選挙、台湾総統選挙、中国共産党党大会、北京オリンピックなどが控えており、東アジア情勢に世界の注目が集まることになる。まさにこの2年間は東アジアの命運を決する勝負の年なのである。我々日本人も、生命線台湾を守るため、日台関係を強化するために精一杯努力を続けていこうではないか。

2月25日のデモへの参加を呼びかける西村修平氏

決議文を読み上げる渡辺昇氏

200人の聴衆で埋め尽くされた会場。

     

 

 

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