阮美スさん来日公演

 

2006年2月に日本で二二八事件に関する2冊の著書を出版して来日公演もされた阮美スさんが、9月に再来日された。
 9月15日に来日され、翌16日に早速広島で講演、20日には大阪で、22日には東京の早稲田大学で講演を行うなど、全国各地で精力的に活動されていた。そして来日の締めくくりとなるのが10月1日に文京シビックホールで行われた台湾研究フォーラム第90回定例会である。
 会場には80人の聴衆が集まった。主催者の予想をはるかに上回ったようで、椅子が足りずに立ち見者もでるという、台湾関係の講演会としては異例の事態となった。
 今回の来日公演で阮美スさんが強調したかったことは、二二八事件の犠牲者には日本人も含まれていたということだ。この事実に台湾人はほとんど注目してこなかった。そればかりか、日本人、日本政府、日本外務省がこの問題に全く無関心のまま放置してきたのである。阮美スさんは池田駐台大使に直接訴えかけたそうだが、積極的な反応はなかったそうである。
 また、阮美スさんは今回の訪日をもって、これまで半世紀以上にわたって続けてきた二二八事件に関する真相究明の活動に終止符をうつ予定である。1947年3月に父を離れ離れになってから50年にわたって父を捜し求め、1997年になって父が処刑されたことを知った。今までに著書や論文を多数執筆し、講演もたくさん行い、日本での著書出版と来日公演も実現させた。すでに79歳の年齢となり、阮美スさん自身、思い残すことはないという。屏東県で運営していた阮朝日二二八記念館は今年の6月30日にすでに閉館している。
 この10月1日に行われた講演会が、阮美スさんの人生で最後の講演会となるかどうか、私ははっきりとはわからない。今回の講演会は父を亡くした悲壮感というよりかは、何かやるべきことを成し遂げたという達成感が感じられ、会場全体も和やかな雰囲気だったというのが私の印象である。
 阮美スさんは10月2日に台湾に帰国された。阮美スさん自身は自らの活動に一応の終止符を打つということであったが、我々は果たしてこのままでいいのだろうか。いや、二二八事件という台湾史上最も悲惨な事件を記憶からかき消してはならないと思う。我々が後世に至るまで永遠に語り継いで行くべきではないのか。私は外省人を永遠に怨み続けろなどというつもりは全くない。その点に関しては、「日本に対しては歴史問題を永久に追及し続けろ」と命じた江沢民とは根本的にことなっているのでご理解いただきたい。ただ、台湾史の重大事件を忘れてはならないと言いたかっただけである。

 

阮美スさんについて詳しくは以下もご覧ください。

阮美スさんが来日、台湾資料センターで講演会

李登輝友の会神奈川支部設立

良書紹介 『漫画台湾二二八事件』、『台湾二二八の真実―消えた父を探して』

二二八事件と天安門事件 (打倒中国共産党)

 

講演会が始まる前に、阮美スさんにサインを求める参加者。

 

参加者は80人を越える超満員となった。

 

講演をする阮美スさん。

 

椅子が足りずに立ち見の参加者もでるほど。

 

     

 

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